昨日、ネットニュースをみていて驚きました。
ご存知の方も多いでしょうが、岐阜県で10歳のお子さんが初めて日本脳炎の予防接種を受けて、その5分後に意識消失、心肺停止状態となり、亡くなったという記事が載っていたからです。
接種に問題なかったという話ですし、何が起きたのでしょうか?。予防接種も100%安全とは言えず、何からしらの副反応はつきものです。実際、接種部位が腫れたとか、翌日に熱が出たとか、時々見られます。さすがに死亡という事態となると、大問題です。健康を守るために予防接種を受けているからです。
日本の第一人者の先生の話では、現在使われている日本脳炎のワクチンで突然死亡にまで至った事例は聞いたことがなく、専門家が検証する必要があると述べています。
接種して間もなく意識がなくなったそうですから、アナフィラキシーショックでも起きたのでしょうか?。アレルギーの体質があったかどうかも含め、詳細は不明です。予想するに、昨年春に複数のワクチンの同時接種で死亡の報告が相次いだ時も、厚生労働省が程なく「同時接種と死亡に因果関係はないであろう」と声明を出しました。今回も、何らかの報告がなされるものと思います。
最近はこういうニュースは一気に広まりますから、翌日の18日に日本脳炎の予防接種の予定だった親御さんもビックリされたことだと思います。
前回の同時接種の時も、接種控えがあったと思います。今回の事例は痛ましいことですが、何百万人ものお子さんが安全に受けていたという事実もあります。18日も全国各地で日本脳炎の予防接種が行なわれたと思いますが、接種する医師がそのニュースを知らなかったケースもあるでしょうし、知っていても混乱させないように、それには触れずに接種をしたというケースもあるでしょう。
私は知ってしまっていたし、場合によっては厚生労働省が何らかの声明を出すまで、接種を延期したいという方がいてもおかしくないと考えました。国からは「接種を控えるように」という指示は出ていませんので、私の方針としては、そういうニュースがあったことを親御さんに知らせた上で、接種をするかどうかを決めようと考えました。
既にご存知の親御さんもいらっしゃいましたが、2~3名は知らないとおっしゃいました。診察室の脇にiPadがありますから、それでヤフーニュースの記事を示して、そういう事故があったことを説明しました。
今回、日本脳炎のワクチンが初めてという方はおらず、「前回、何ともなかったから」という理由で、昨日の接種希望者の全員が接種を受け、問題なく帰宅となりました。ホッとしています。
予防接種は、医療者側が一方的に「接種するように」という強制的なものではなく、親御さんが希望されたものを引き受けて接種している立場ですから、保護者の意向が一番大切な訳です。知らないことを話す訳にはいきませんが、知っていて患者さんに言わないのは問題があると判断しました。
増してや、いつもの話になってしまいますが、食物アレルギーの診療に「食物負荷試験」は不可欠と言われており、多くの医師が検査の存在すら患者さんに知らせていないのは、卑怯とも言えると繰り返しています。これと同じような話ですから、事実を知らせないのは医師として問題があると考えました。
何年か前に、旧いタイプの日本脳炎のワクチン接種後に神経の病気を発症したお子さんが一人いて、それ以来、日本脳炎の接種がストップしたということがありました。予防接種は、ある意味、国策でしょうから、国が方針を示すことになります。死亡との因果関係が薄いとなれば、「引き続き、接種する」という方向性が示されることと思います。
検証には多少の時間がかかると思いますが、できれば早めに方向性が示されればいいなと思ってます。


