小児科 すこやかアレルギークリニック

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2012年11月03日 更新

先日、患者さんが食物アレルギーの相談に当院を初めて受診されました。

卵、牛乳、小麦、大豆が血液検査で陽性であり、これらを除去するように前主治医から指導されていたそうです。ただ、そういった指導を受ける前から、小麦や大豆製品は摂っており、前主治医の言うことに疑問を感じていたそうです。

現在の住所は、当院のある上越市近隣の街なのですが、里帰り出産で下越地方の某市にいる時に、湿疹が出始め、某小児科にかかっていたそうです。

当院を受診された時は1歳になっており、湿疹はだいぶ軽快していました。アトピーに食物アレルギーはかなり合併しやすいので、皮膚症状についても問診するのですが、かなり悪かったそうで、痒みも強かったと聞いています。

最近の流れからすれば、皮膚を通して食物アレルギーが悪くなってしまうので、アトピー性皮膚炎なら速やかにアトピーと診断し、ステロイドを中心として軟膏治療をして、とにかく皮膚症状を真っ先に改善させることが肝要とされます。

その辺を医師が理解しているかを判断するには、当時のお薬手帳を見れば分かります。ガイドラインに沿わないような種類の薬や混合具合いを見ると、「….」という感じでした。

先に述べたように、最近は「経皮感作」が注目されていますので、皮膚治療の成否により食物アレルギーが影響を受けるのかもしれません。尚更、アトピーが軽くなければ、専門医に速やかに紹介するとなるのだろうと考えています。

驚いたことに、その先生は、里帰り出産から自宅に帰ったあとも通院をするように求めたのだそうです。某市からご自宅まで80キロはあります。確かに、当院に100キロ以上の道のりをかけて通院して下さっている患者さんもいます。こちらから通院を強要したことはありません。患者さん自身が専門的治療を受けられると言う価値を見出して、通院して下さっています。

親御さんが「地元にアレルギーの専門の先生をご存知ありませんか?」と聞いたら、「そんなの知らない。自分で調べなさい。」と言ったそうです。患者さんの住む街にアレルギーの専門医ではないですが、前主治医のご存知の同年代の先生がおり、知らないはずはないのです。隣の街ですが、当院のことも知らないということはないと思います。

昨日、紹介状を書きたがらない医師の話をしましたが、今回もそうで、いかにこういった医師が少なくないかを象徴するようなエピソードです。「自分のやっていることが一番」だと考えているのか、「患者を手放したくない」と思っているのか、ちょっと悪質だなと思っています。

私の場合、専門医のいない地域の方が受診されると、中でもアレルギーに理解のありそうな先生のところに行った方がいいとアドバイスしています。少し離れていたも、キチンと責任を持って診てくれそうな専門医に紹介することもあります。

一番問題なのは、卵、小麦、大豆に関してはアレルギー検査が陽性というだけで、これらのアレルギーがあると診断していることです。いつものことながら「食物負荷試験」のことすら説明していません。どうやって解除していくつもりだったのでしょうか?。

患者さんには、正しい知識を持って頂きたいので、時間をかけて食物アレルギーの診断や、負荷試験でしか食べられる・食べられないの判断ができないこと、新潟県には負荷試験をやっている施設がかなり限られることなどを説明しましたが、更にその先生のいた街ではキチンと負荷試験をやっている病院があったことも話さざるを得ませんでした。申し訳ないけれど、同業者よりは患者さんの味方でありたいと思っています。

患者さんに調べさせるよりは、同業者が誰が何の専門かを分かっているはずで、知らない振りをしたということでしょう。ただ、こういうケースは、県内では日常的に行なわれているものと思われ、医師のモラルが問われていると考えています。