いきなりですが、私は患者さんに一生懸命な医師は好きですが、いい加減な医師は嫌いです。
親御さんは、医師を「プロ」と見込んで、自分の子どもの病気を良くしようと一生懸命通っているのに、特にアレルギーでは診断すらできない、治療も症状が改善しないのに同じ薬を出し続ける医師は、結構いますが、ペナルティも何もないのはとてもおかしいと考えています。
今度、触れようと思っていましたが、先日地元の園の先生方を対象にアレルギーの講演を行った際に、終了後に数人の園の先生方と地元の小児医療について情報交換を行ないましたが、ビックリする程のレベルの低い医療を繰り返している小児科さんの話題で盛り上がりました。同業者から見ると、経営が最優先されてるとしか思えないのです。
小児科医は、子どもの健康を守るのが役目ですから、自分のことしか考えていないような“医療”をやっている医療機関は、廃れてしかるべきだと思っています。園の先生方も小児科医の実力の差が大きいことに気付き始めています。以前は、小児科専門ということでもてはやされていても、小児科の開業医が増えてくると、医療関係者でなくても“いい加減な医療”を嗅ぎ分けられるようになってきているように感じています。
実際、通院しても良くならないと、保護者に「医者を代えた方がいいよ」とアドバイスすることも多いようで、多少リップサービスもあるのでしょうが、話の中では「すこやかさん(当院)に行くと良いよ」とご指名して下さるようです。有り難い話です。
これからは、新しい小児科もできたことですし、上越の小児医療も世代交代というか、新陳代謝が必要になってくると感じています。
そんな中、一条の光を感じさせるような出来事もありました。先日、珍しいことにある先生から紹介状を頂いたのです。
読んでみると、卵を食べて皮膚症状が出たそうです。アレルギー検査もしてあり、卵白が陽性を示しています。「食物負荷試験をして欲しい」という内容でした。
差出人は、皮膚科の先生でした。小児科医でないところが、地元の情けないところでしょう。
当院が患者さんのために、リスクをかぶってでも「食物負荷試験」を頑張っていても、未だに「2歳まで除去するように」なんて言っていたり、よほど紹介状を書きたくないのでしょう。負荷試験の経験もほとんどないのに、卵白がクラス4のお子さんに、卵焼きを食べさせてしまう医師もいます。何かあってからでは遅いのです。
お互いの得意分野を活かし、医師同士が協力し合って初めて地域医療が成り立つというのに、それがないので、これでは患者さんが気の毒でなりません。そんな状況で、今回の紹介状が届いたのです。
負荷試験をこだわってやっていると、「これはいけそうだ」とか「まだ、ちょっと無理かな」という感覚はあります。ただ、あくまで食べさせてみないと何とも言えないのが、負荷試験です。今回の患者さんに関しては、食べられそうだと踏んでいます。
地元で他の医師の口から「食物負荷試験」の言葉が出ること自体、極めて異例なことですが、それが皮膚科の先生からというのは、その先生の良心から出た言葉なのだろうと思っています。逆に、多くの医師が食物アレルギーの診療においては、良心的でないと言えるのだろうと思っています。
もちろん、その先生の期待に応えるべく、近々「食物負荷試験」を予定しています。私も良心的に、白黒をつけようと思っています。


