小児科 すこやかアレルギークリニック

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NHKの放映
2012年12月03日 更新

12月に入ってしまったので、先月のことになりますが、30日の「おはよう日本」はご覧になりましたか?。

私は出張の日と重なったので、録画予約しておき、帰ってきてから観ました。

食物アレルギーの診療に「食物負荷試験」が欠かせないことが改めて強調されていました。全国で子どもを中心に30万人もの患者さんがいるそうですが、多くの患者さんがこの試験を受けられていない現状が指摘されていました。

食物アレルギーの話題だとだいたい相模原病院が出てきます。10月6日に当院独自のイベント「すこやか健康フェア」の講師を務めて頂いた海老澤先生が出てきて、負荷試験の必要性を述べていました。

番組では、6年前から「食物負荷試験」が“標準的”な食物アレルギーの検査となっていると言っていました。

血液検査でその食品に反応が出ると、一切食べないように指導していた1980年代から、時代が変わって検査が陽性であっても、食べられることが分かってきたにもかかわらず、「医師の意識の低さ」が原因で負荷試験が広まっていないのであろうと言っていました。NHKにしては、ハッキリ言ったものだなと思いました(笑)。

番組に出てきた患者さんが、過剰な除去を受けていたケースとして挙げられていました。30種類もの食品を除去するように指導されていたそうです。結局、“標準的”な検査を受けられたのでしょう。それらを除去する必要がないことが分かり、必死に除去を続けていた1年半もの期間をお母さんが「これまでは何だったのだろう」と語っていました。

この言葉、当院でもよく聞きます。近隣の小児科かから除去を指示され、その指導を疑問に感じたり、当院の啓発活動が効いてか、園や学校の先生から紹介されて当院を受診されるのです。

私としては、“標準的”な検査をなぜ受けられないのであろうと思うし、専門医に紹介されないのは不思議でなりません。これも「医師の意識の低さ」のなせるわざと思わざるを得ません。

先日、隣の市から受診された患者さんは、卵、牛乳、小麦、甲殻類、軟体類、貝類、ナッツ類などを除去するよう指導されていました。知人の勧めで新潟市の病院を受診されたそうですが、当院でも受けられることが分かり、受診されたのです。

この患者さんも、優に10種類以上の食品を除去していました。番組内で紹介されたケースは1年半でしたが、この患者さんは小学校中学年であり、除去期間ははるかに長く、それに比例してご苦労も多かっただろうと考えます。

先日、小麦の加工品で負荷試験を行ないましたが、食べられることを確認しています。親御さんからすれば、「これまでは何だったのだろう」と思っていらっしゃると思います。

新潟県は、「食物負荷試験」を実施している医療機関はかなり少ないため、困っている患者さんが大勢います。やはり「医師の意識の低さ」から、「食物負荷試験」の存在すら知らされていないのは、近年は政治家の“劣化”が言われていますが、医療側の何かが劣化していると考えるのは私だけではないでしょう。

こんな県内の現状でも、「受け皿」があるだけいいなと思わせる場面もありました。番組の中で、鳥取県が例として挙げられており、重症例に対する負荷試験をやってくれる施設が一件もないのだそうです。

親御さん達が立ち上がり、鳥取県内にも負荷試験を受けられる環境づくりを訴えているそうです。それを聞くと、心が痛みます。私に何かできないかと思ったりします。以前、県外でも「すこやか健康フェア」をできないかと本気で考えたことがあります。今でもその気持ちに変わりはありません。

やはり、地域格差は存在するのです。新潟県は、今回例として挙げられた鳥取県よりは若干は恵まれているのでしょうが、日本の第一人者のいるような地域は遠く及ばないのです。言い方は悪いのですが、諺でいう、五十歩百歩なのだろうと思います。

負荷試験の存在を知っていて紹介しないのは、医療者側の劣化の問題だと思っています。検査の存在が知れ渡っては困ると思っている医師も、残念ながらいることでしょう。患者さんを専門医に紹介しなければならなくなるからです。患者さんとキチンとした信頼関係があれば、負荷試験が終わったら戻ってきてくれるはずですが、そう思わない医師も多いのでしょう。

“標準”が標準でない、これが負荷試験の現状だと思っています。