小児科 すこやかアレルギークリニック

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2012年12月17日 更新

食物アレルギーを一番診る機会の多いのは、小児科医だと思います。

頻度をみると多くはないですが、大人でも食物アレルギーはみられます。甲殻類、ソバ、果物、食物依存性運動誘発アナフィラキシーとしての小麦などは、いわゆる治りにくいアレルゲンと言えます。

ただ、大人は食べないことで、症状が出るのを避けることができることでしょう。誤って食べてしまうこともあるでしょうが、子どもよりは慎重になっているため、そうなることは少ないと思います。その点、子どもは目の前に差し出されると、何の疑いも持たずに食べてしまい、アナフィラキシーを起こすことがあります。

また、食物アレルギーは専門医が極めて少なく、相談に乗ってもらえる小児科医が少ないため、過剰に除去されるのも特徴かもしれません。

例えば、卵は少しは食べていたのだけれど、ある日、カルボナーラを食べて、蕁麻疹が出てしまい、親御さんは卵が原因に違いないと判断し、一切の卵を除去してしまうというようなケースです。

この患者さんは皮膚科を受診した際、卵を除去していると医師に伝えました。それを聞いた皮膚科の先生が、「果たして本当に食べられないのだろうか?」と疑問に感じ、先日当院に紹介状を持ってこられました。

こんな良心的な皮膚科の先生は初めてです。地元に食物アレルギーに理解のある医師はほとんどいないと思っていたので、味方ができたような気持ちになりました(笑)。

残念ながら、これまでずーっと小児科医からの紹介はほとんどありませんでした。でも、若い先生からつい先日、2件紹介があったのはありました。やはり、若い先生の方が考え方が柔軟なんだと思いますし、勤務医の先生だったからかもしれません…。

開業医は、なかなか患者を手放そうとしない傾向にあります。誰のための医療をなのか、しっかり考えて頂きたいと思うし、患者さんもおかしいと思えば、主治医に見切りをつける態度も欠かせないと言えるでしょう。

そんな中で、0だった紹介が、稀なことであれ1件、また1件とあったことは素直に喜びたいと思います。

あとは、患者さんに誠実に、正しい医療を提供するだけです。いつも通りですが、この患者さんには卵焼きを使って、負荷試験を行ないました。

結果は、卵焼き1個を完食しました!。以前も卵は少しは摂っていたので、私にしてみれば予想通りの結果なのですが、お母さんにとって、卵は“食べてはいけないもの”になってしまっていたため、食べられることが確認できて、とても喜んで下さいました。足かせが取れたという感じでしょうか?。その姿を見ると、こちらも素直に嬉しく思います。

ここで、チャンスと思っていることがあります。すみやかに紹介して下さった先生に紹介状の返事を書くことです。

それが礼儀であるのは当然ですが、多くの医師が負荷試験の重要性を理解していないから、専門医に紹介しないのだと思っています。また、ある程度理解していても、紹介するタイミングの判断が難しいと考えている先生もいることでしょう。

今回のケースのように食べられないと思っていた卵料理を無事に食べられたのであれば、「ああ、こういうケースは負荷試験をやってもらえばいいんだ。患者さんにも喜ばれるんだ。」と理解して頂く絶好の機会だろうと思っています。

ということで、外来が混雑していて紹介状の返事はすぐに書けないこともあるのですが、今回はつい速攻で書いてしまいました(笑)。

負荷試験をやることで、親御さんの足かせがなくなり、患者さんからも喜ばれる検査であることを一人でも多くの医師に知ってもらえるよう、返事は早めに書いていこうと思っています。