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「悔しいです」
2012年12月27日 更新

だいぶ前に流行った芸人のギャグで、「悔しいです」と言って決め顔をするものがありました。

今日は、ちょっと笑えない「悔しいです」の話になります。

先日、食物アレルギーの患者さんが当院を初めて受診されました。卵と小麦にアレルギーがあるという話でした。地元の小児科にかかっていましたが、往々にして診断は誤っていることが多いので、最初からキッチリと話を伺うことにしました。

話は産まれて間もない頃から聞くのですが、案の定、早速に“誤診”発覚です。アトピー性皮膚炎が見逃されていました。その小児科さんでは、キチンと診断されたことがないようです。肘に典型的な湿疹が見られても、「汗疹」と診断されたりしています。

ですので、患者さんを1から指導することになります。いつもながら、血液のアレルギー検査で食物アレルギーの診断がなされているので、何が誤診で、何がそうでないのかを見極めなければなりません。

卵は卵ボーロで蕁麻疹が出ていたようで、卵アレルギーは間違いなさそうです。ちなみに、アレルギー検査はクラス4でした。いつも言っているように、クラス4であってもアレルギーとは診断できないこともあります。

小麦はクラス2でした。前医から食べないように指導されていたそうです。先の「悔しいです」の発言は、小麦の対応のことでした。

実は、この患者さんはうどんが大好物でした。ここまで来たら、話の先は読めますよね?。ハイ、その通りです。小麦が成分である大好物のうどんを、小麦の検査がクラス2だという理由で「食べてはいけない」と指導され、有名な小児科ということで、親御さんも信じて疑わなかったのです。

参考文献を示しながら食物アレルギーの説明をしていくのですが、徐々に親御さんの表情が曇っていくのが分かりました。「真実」を知った時の、愛する娘に大好物を避けさせてしまった親御さんの気持ちは、想像に難くありません。最初の第一声が「悔しいです」でした。

そもそも、話をよく聞いても、小麦を摂ることでアレルギー症状が誘発されたことなどなく、小麦アレルギーはなかった(もしくは、知らないうちの治ってしまった)と考えられます。

それが、このお粗末な指導を必死に守っていた訳ですから、「自分が子どもの好きなものを食べさせられなかった悔しさ」と「信じていた小児科医に裏切られた怒り」がこみ上げてきたのでしょう。

誤診を繰り返す医者は、とことん繰り返します。要は“リピーター”なのです。これだけ患者さんに迷惑をかけても、ペナルティーは何もなし。いや、医療費を支払ってさえいます。誤った指導をされて、患者さんからは「ありがとうございました」と感謝さえされます。こんなことがあるのは、医者の世界くらいではないでしょうか?。

地元で開業してみて、相当低レベルな医療を繰り返し見ているので、私はもう何を見ても驚かなくなりました。患者さんの「悔しいです」の言葉のあとに「(ダメな)医者なんて、そんなものだよ」と言ってしまいました。

年末なので吐き出してしまいますが、食物アレルギーの指導に限らず、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の診断に限らず、マイコプラズマやRSウィルスの診断、繰り返す点滴、入院の適応が守られていないことなどなど、医院の都合が優先されているとしか思えないのです。おかしな医療をする医師は、やりたい放題とも言え、患者さんは地元の現状(ともすると惨状)を知るべきでしょう。

食物アレルギーの話に戻りますが、専門医が自分のリスクを顧みずに食物負荷試験で食べられる・食べられないの判断をしようとしていますが、そうでなければ「食べさせてあげたい」とか「無駄な除去は辛かろう」なんて気持ちは微塵も感じられません。

結局、「医者なんてそんなもの」としか言いようもなく、当院に来られる患者さんにとっては、とても説得力のある言葉なのだろうと思っています。もちろん、真面目な小児科医もいます。ただ、食物アレルギーに関しては、多くは例外と言わざるを得ないでしょう。

今回の患者さんも、ある意味「犠牲者」であり、市内にはこんな患者さんは大勢いると思います。ダメな医療をする医者を、誰かがダメだと言い続ける必要があるし、それが患者さんを守ること、地元の医療をレベルアップさせることだと思っています。

医師と教師は、周囲からは「先生」と言われます。教師の場合、不適格だと免職が可能になっています。医師の場合も、「リピーター医師」という言葉があるように誤診を繰り返しています。なぜ免職などの措置がないのだろうかと不思議になります。

ネットで調べてみると、今年の3月にある産婦人科医の医師がリピーター医師ということで戒告処分を受けたと書いてありました。ない訳ではないのですね。こういった行政処分は初めてのことだそうです。対応が遅過ぎると思っています。

産科だと、赤ちゃんが死亡や後遺症を残すといった決定的な不利益がありますが、小児科で、アレルギーなどではきっと決定的ではないということで、“黙認”という扱いになるのだろうと思っています。

「悔しいです」という患者さんをなくすためには、地元市民に真面目に医療に取り組む小児科医とそうでない医師がいることを知ってもらうことから始めなければなりません。それくらいしか思いつきません。

「悔しいです」という言葉を聞いて、私も「悔しいです」と思い、切なくなります。その点で私自身も「犠牲者」だと思っています。来年もこの場で、ダメな医療はダメだと言い続けなければならないと思っています。