小児科 すこやかアレルギークリニック

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〇〇以下
2013年01月10日 更新

当院は、毎日のように“事件”が起こります。

専門医からすれば、呆れ返るような指導がなされており、患者さんもそれに気付くようなレベルの話です。病気の状態を少しでも改善させるのが医師の仕事なのに、「改悪している」としか言いようのないのです。

あるお子さんが、食事の後に蕁麻疹や息苦しさを訴えたそうです。かかりつけで相談したところ、アレルギー検査を実施され、小麦がクラス1だったそうです。

それをみて「小麦を食べたら、運動をしない方が良い」と指導されたそうです。多分、小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシーを考えているのだろうと思います。

医療関係者でなくてもご存知の方も多いでしょう。茶のしずく石けんで一躍有名になった病気です。小麦や甲殻類などを食べて、運動するとアナフィラキシーという強めのアレルギー症状を来すというものです。

「小麦などを食べる」+「運動」という組み合わせがないと起こらないと言われており、患者さんには原因アレルゲンを食べたら“運動しない”、運動するなら“アレルゲンは食べない”と指導します。アレルギーの体質があると、発症しやすいのは確かですが、どの患者さんに起こるかは予見できないと言われています。

この患者さんの場合、食事を摂った後にアレルギー症状が見られていますが、運動は一切していません。どう考えても、食物依存性運動誘発アナフィラキシーを疑うには、話が相当飛躍しているとしか言いようがないのです。

親御さんは、食事や運動制限のことも言われたようで、「この子が不憫で…」というようなことをおっしゃっていました。話を聞いていて、こちらもビックリです。

だいぶ前のことになりますが、給食後にアナフィラキシー症状を2回起こし、食物依存性運動誘発アナフィラキシー疑いということで、私のもとに紹介されてきた患者さんがいました。

確かに、食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、家では食後に運動することは少ないでしょうから、昼に学校で起こることが多いようです。ですから、小児科医のイメージとして、「給食後の昼休みに遊んでいたら」と聞くと、食物依存性運動誘発アナフィラキシーを考えるようです。

先程も言いましたが、「食事」+「運動」という原則を忘れてはなりません。この患者さんは、1回目は昼休みに遊んでいた時に起きたようですが、2度目は運動もしていない状況でした。つまり、食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは言えないし、実際は給食に含まれていたカシューナッツが誘因と判断されました。

冒頭の患者さんも、運動していないので、かかりつけ医がどうしてそういう発想になったのか全く分かりません。もしやアナフィラキシー症状=食物依存性運動誘発アナフィラキシーなんて考えていたのかもしれません。

私の力不足なのでしょうが、食後にアナフィラキシー様の症状を繰り返す患者さんがいます。運動もしておらず、特定の食品を食べた時に起こるというものがなく、誘因がハッキリしない場合もあります。実際、原因が非常に特定しづらいケースもあるようです。

冒頭の患者さんの場合、血液検査で小麦がクラス1(陽性ではない)だったからと言って、普段からうどんなどの小麦製品を何の制限もなく摂っていました。今後、絶対に小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシーを起こさないとは言い切れませんが、小麦を制限する必要はあるのだろうかと思っています。

そのためには、原因をなるべく明らかにする努力が必要でしょう。ただし、今回は普段食べているものを食べているだけなので、色々考えながら対応しなければなりません。例えば、その日に食べた食材のどれも「怖くて食べさせられない」という状況は避けたいところです。場合によっては、私の目の前で食べてもらうことも必要かもしれません。

今回のように、患者さんが思いつきもしないようなことを言う医師もいるのも事実でしょう。敢えて言えば、“素人”以下と言われても反論できないでしょう。そんな苦し紛れのことを言うのなら、なぜ専門医に紹介しようとしないのだろうかと不思議でなりません。

今回は、周囲の人間が当院を受診するよう進言してくれたようです。同じ医師は同じ発想をしますから、地元には同じような指導をされ、それを必死に守っている患者さんもいるかもしれず、そう考えると心が痛みます。

私自身もそういうこともあるでしょうが、残念ながら「医者を代える」というのが一番の“薬”だったりします。患者さんはそれを頭の片隅に起きながら、医療を受ける必要があると言わざるを得ないだろうと思っています。