小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

いくつかの教育委員会に
2013年01月17日 更新

調布市での食物アレルギーによる死亡事故は、とても悲しいものです。

ただ、悲しんでばかりはいられない。食物アレルギーは死亡することもあることが再認識された訳ですから、いつ起きるかもしれない第二の事故をどうしても避けなければなりません。また、園や学校の職員の対応が“退化”してしまっては、意味がないと思っています。

そんな中、既に動き出しています。こんなイベントが東京では開催されているようです。事故が起こって2週間あまり、動きの速さに「さすがだな」と感じずにはいられません。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130111/k10014749101000.html

このイベントを知り、私も何か行動に移さないといけないと居ても立ってもいられなくなりました。

事故があったのは東京都で、東京にはご高名な専門医の先生もいらっしゃいます。こういうイベントは、行政のやる気次第でやろうと思えば、すぐにできることを証明しています。

はたと「新潟はどうなの?」と考えると、誰も何もやってくれないだろうと思いました。逆に、「私にできることはないのか?」と考えました。

多分、多くの学校や園の職員が今回の事故で、食物アレルギーは怖い、もしかしたら給食は提供したくないと思う方さえもいらっしゃるのだろうと思っています。食育という言葉もあるように、現場との調整のもと、できる限り弁当というのは避けたいと考えています。

先週末の福岡での勉強会で、報道されていない部分も知ることができました。まだ情報が不十分なため、この場でオープンにするのは差し控えたいと思いますが、いくつかの不運と思える落とし穴もあったようです。逆に言えば、そこに気をつける必要があると言えるのです。

今回の事故の報道で、ちぢみを食べた前後のこと、エピペンのことなどが明らかにされていません。先に述べたように「こんなことに気をつける必要がある」というのがないので、「食物アレルギーは怖い」と漠然と思う方が多いのでしょうし、「どう対応したら良いか分からない」と困り果てているのだろうと思っています。

そこで、私が「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」の普及に関わり、その際に知り合った各市の教育委員会の方に提案をさせて頂きました。

私の知り得た状況を共有し、どこに気をつけるべきか知って頂くということと、今一度誤食時に対応を確認するというものです。どういう状況でエピペンを使い、救急車を呼ばなければならないか等を再確認して頂きたいのです。

水曜の午後は休診だったので、地元上越市、妙高市、柏崎市、糸魚川市、あと長岡市の教育委員会に連絡させて頂いています。

園や学校に食物アレルギーの患者さんがいなければ、心配もないでしょう。しかし、食物アレルギーの子どもの増加に伴い、そういったケースはほとんどいないでしょうから、各市の現場で「食物アレルギーのことを知りたい」、「誤食時の対応をもう一度確認したい」、「エピペンの使い方を再度シュミレーションしておきたい」などと考える方がいれば、希望者を集めて頂き、私が説明にいくということを提案させて頂いたのです。

これを受け、多くの行政が前向きに考えて下さっていると思います。園や学校側はこういう事故が起こると、誰に頼ったらいいか分からないことが多く、給食に対し萎縮した対応をせざるを得ない場合もあるかもしれません。

大きな規模の調査で、1年間に園の29%でアレルゲンを誤って食べさせていたという事実もありますが、私の知る限り、死亡したケースはなかったと思います。もちろん、油断していいと言う訳ではありませんが、誤食=死亡ではないということも知っておいて頂きたいのです。

地元の方なら、水曜や土曜の午後に来て頂ければ、エピペンの使い方を練習用のキットを使って指導することもできます。市外だと、希望者を招集して頂いた方が一度に不安を軽減できると思っていますし、同席された市の関係の方にも理解を深めて頂けます。

ということで、今後も何らかのアプローチで食物アレルギーに関し、情報提供を行なっていくつもりでいます。