小児科 すこやかアレルギークリニック

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2人だけの首脳会談
2013年01月18日 更新

先日、中越にある某市から患者さんが受診されました。

食物アレルギーの患者さんだったのですが、2年ほど前に乳でアナフィラキシーの既往があります。エピペンも処方されています。当院に来られる患者さんは、エピペンが必要なのに処方されていないケースが多く、珍しいパターンでした。

食物アレルギーはいくつかアレルゲンがあり、新潟に転居する前にどこまで食べられるかが評価されており、それを聞くと結構重症のようです。となると、誤食時の対応を徹底しておく必要があります。

最近は、厚労省の出したガイドラインにより園でもエピペンを預かり、アナフィラキシー時に備えることになっています。預かってもらっているものと思いきや、聞いてみると「誤食時は、お母さんがエピペンを持って駆けつけて下さい」と言われていました。

新潟県内のレベルを象徴するような発言で、私はこういう本来受けられる患者さんの権利を守るために、いろいろなところに働きかけていますが、いまだにこんな対応しかできない行政があるなんてとガッカリしました。

東京での死亡事故の起きる前の話ですが、食物アレルギーは死亡もあり得ることが判明した訳ですから、このままでいいはずがありません。この市も何とかせねばと思いました。

ちなみに、親御さんはそうやってエピペンの預かりを当然の如く拒否された訳ですが、それは仕方ないものを捉えていらっしゃいました。そうだと、昼食時はおちおち外出もできません。園も好きで誤食させる訳ではないですが、園側がミスを犯した場合に、対応を保護者に任せきりではおかしいと言わざるを得ません。何のためのガイドラインなのかと言いたくなります。

そこで、お母さんと私で2人だけの首脳会談が始まりました。

その市にガイドラインに沿ってエピペンを預かってもらおうという保護者と、それをサポートしたいと思う小児科医であり、多分、その市でそう希望しているのは現時点で2人だけでしょうから、十分首脳会談と言えると思っています。

作戦を練るとは言っても、私からすればこういった行政の体制作りに何度も関わってきたので、親御さんの希望に沿うようにするのは可能だと思っています。

ただ、問題はその市側もガイドラインがあることは知っているはずなのです。知っていてやらないのは、“職務怠慢”と言えそうですが、どこの行政もそうだと思いますが、自発的に導入することは少ないようです。言い方は悪いですが、誰かが尻を叩かなければ動かない、そんな感じです。

多分、市側も食物アレルギーに詳しくないので、なかなか踏み切れないのだと思います。本来詳しいはずの小児科医に専門家がほとんどおらず、地元にそういう医師がいなければ、相当変えづらいのだと思います。

いずれにしても、行政からやってもらえるはずのことがなされていないのならば、それはやってもらえるように働きかけなければなりません。ましてや、お子さんの命や健康がかっていることです。いつ誤食が起きるか分からないため、早急に対処してもらわなければならない案件です。

この首脳会談では、翌日から作戦開始することとなりました。時代の流れから言って、ガイドラインに沿った対応を市側もせざるを得ないのは間違いありません。

某市では、担当課の理解がなく相当苦労しました。すんなりと行ってくれることを願っています。