アナフィラキシーショックの治療薬は、間違いなくエピペンです。
死亡事故を受けて、エピペンの使い方をいかにより一層浸透させるかということを考えています。それには気付いていたつもりなので、昨日書いたように昨年1年間に18回園や学校出向きました。文字通り、職員全員がいつでも打てるようにしておく必要があります。
では、ここでエピペンを処方されている子どものいない園や学校は何も学ばなくていいかと言えば、それは大きな間違いでしょう。
以前、某市から卵を除去している患者さんが受診されました。園では頑張って除去されており、何も起きていませんでした。ちなみに除去の根拠は、卵白のアレルギー検査が陽性ということでした。
このケースで私ならこう考えます。「除去する必要がないかもしれない」、もしくは「アナフィラキシーを起こすかもしれない」と感じます。要するに、食べさせていないから何も分からない、ということです。
仮に、以前卵を食べてアレルギー症状を起こしていても、今は治っているかもしれないのです。いつまでも除去を続けていては、何も起きない代わりに、何も分からないということです。多くの小児科医が回避している「食物負荷試験」をやってみなければ、何も言えないのです。
卵の加工品を使い、負荷試験を行なったのですが、食べ終わって「ああ、食べられた」と思っていたら、しばらくしてアナフィラキシーを起こしました。
すぐに治療に取りかかりましたが、最終的にはエピペンと同じ成分のアドレナリンの筋肉注射を行ないました。それ以来、除去していたからずっと何も分かりませんでしたが、誤食はいつ起こすか分からないので、エピペンを携帯して頂くことにしました。
この患者さんは今は当院で診ていますが、前医も除去しているから何も起きなかったり、エピペンを処方されるべき患者さんとは夢にも思っていなかったでしょう。
ずっと除去のみ続けているお子さんの場合、これが大きな落とし穴だと思っています。除去をしていて、何も起きないため、ついつい気が緩むこともあるでしょう。
こういうこともあるので、園や学校でエピペンを持っていないから職員は何も学ばなくていいかと言えば、逆にエピペンという武器がない分、対処法は知っておく必要があると考えます。
このように本来、エピペンを処方されるべき患者さんが処方されていないケースは、新潟県にはどれくらいいるのだろうと思っています。
食物アレルギーで死亡することもあると分かったからこそ、これまではたまたま死亡するケースがなかったと考えるべきでしょう。嫌な言い方になりますが、どこの園や学校でもいつ当事者になるか分からないと考えるべきでしょう。
私も必要な人にすべてエピペンを出しているかと言えば、そうではないでしょう。エピペンの処方の適応はやや緩くした方がいいのかなとも思っています。となると、また外に出向き、エピペンの講習を行うことになります。
私としては、食物アレルギーに関心が高まっている今こそが、多くの園•学校関係者に広く知ってもらうチャンスだと思っています。先日の地元のテレビ局の出演も、その一環と思っています。
塾のCMじゃないですが「今でしょ」という思いで、取り組んでいこうと思っています。


