小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

昨日の朝日
2013年02月05日 更新

昨日の朝日新聞に食物アレルギーの死亡事故のことが載っていました。

社会面の広告を除くと、2分の1以上の紙面を割いて、かなり詳細に書かれていました。ご覧になった方も少なくないと思います。

紙面の画像を添付していますが、ネットなどであまり書かれていなかったことも書いてありました。持病のぜんそく発作のような症状が出ていたというのです。

私はエピペンに関する講演をする時は、呼吸器症状がポイントとお話しさせて頂いています。事故があってすぐの報道を見た時に、このポイントとなるはずの呼吸器症状のことに触れられておらず、呼吸器症状が出ずに、いきなりショック状態になったのかとも思っていました。

確かに、そういうこともあると思います。私の知る限り、アナフィラキシーショックを起こす別の病気は、ハチ毒によるものですが、ハチはショックを起こしやすく、食物アレルギーは呼吸困難などの呼吸器症状が出やすいとされています。

食物アレルギーの時は、皮膚にも症状が出やすく、顔などが腫れて赤くなることがあります。呼吸器症状とは、のどの奥も腫れてしまって、息がしづらくなってしまうのです。エピペンは、腫れを軽減する作用もあり、呼吸器症状を改善することが期待されます。

ちなみに、ショック状態で血圧が下がっている時も、血圧を上げる効果も持ち合わせています。アナフィラキシーショックの時に、エピペンの成分であるアドレナリンは第一選択薬なのです。

給食後、まもなくぜんそく発作を思わせる症状が出たということですが、一般的にはぜんそくは夜から朝に悪化しやすく、学校では悪くなりにくいのかなと思っています。運動したあとに発作を起こす「運動誘発ぜんそく」というものがありますが、学校で急に発作を起こすとしたら、この運動誘発ぜんそくででしょうか。

もしかしたら、この呼吸器症状が誤食に気付くポイントで、エピペンを使うタイミングだったのではないかと考えています。ただ、現場には学校の先生しかおらず、判断は難しかったのだろうと予想しています。

最終的に意識消失してしまい、校長がエピペンを使用します。救急救命士でも初めて打つ時は躊躇したという話も聞いており、相当勇気が必要だったと思います。

これも新聞に書いてありますが、まもなく到着した救急隊員から心肺停止を告げられます。現場の先生方に、医師と同等の対処を求めることは酷と言えると思います。エピペンは、早めに使ってこそ効果が期待できます。遅れれば遅れる程、有効性は低下していくと考えています。

こうやって書いていくと、学校側も何もしなかった訳ではなく、それなりの対応をしていることが分かります。ただ、こういった死亡事故が起きてしまった以上、今回の反省点を明確にし、現在の状況を一段も二段もレベルアップする必要があると思っています。