今年、診療しているとやたらと、銀色の四角い、薄い袋を首から下げている方をよく見かけます。
初めて見た時に、「あとでネットで調べよう」と診察室の机の脇に置いてあるデジカメで撮らせてもらったくらいです。先週末、市の休日夜間診療所に仕事に行った時にも、大人でも数人がストラップとして首から下げていました。何種類かあるのでしょうか?。
何やらウィルスをブロックするものらしいのですが、効果はどうなんでしょう。それを首から掛けていても、インフルエンザの患者さんが近くでくしゃみでもしたら、もらっちゃうんだろうなと思っていました。
当院は、ぜんそくやアトピー性皮膚炎で定期的に受診されている患者さんもいますが、中には首から下げていても、体調を崩して受診される方もいます。
そういう事実からすると、すぐに突っ込みたくなるのですが、効果は万全ではないと思います。ただし、多分メーカーは絶対にかからないとは言っておらず、有効で受診しない方もいるでしょうから、一概にダメとは言い切れないでしょう。臨床データでもあれば、着用している場合としていない場合で、どれだけ違いがあるのか、知りたいと思っていました。
ダイトクコーポレーションという金沢の会社が製造しているらしいのですが、ホームページにはその辺のことはあまり詳しく書いていないようです。ネットで調べてみると、塩素成分がウィルスや細菌をブロックして、安全でキレイな除菌空間を提供してくれるようなことが書かれています。ちょっと胡散臭い…。
と思ったら、新聞沙汰になっていました。
http://news.infoseek.co.jp/article/20130218_yol_oyt1t01389
何でも、汗などで中に含まれる次亜塩素酸ナトリウムが溶け出し、皮膚に触れることでやけどの被害が出ているようです。消費者庁が直ちに使用を中止し、会社に自主回収を促しているとのことです。
この件を聞くと、つい「茶のしずく石けん」のことを思い出してしまいます。例の小麦成分を含んだ石けんを愛用していると、皮膚から小麦成分が体内に取り込まれ、無理矢理小麦アレルギーになってしまうというものです。
石けん自体は、泡立ちもよく、それなりに効果はあったようです。ただ、健康被害が出るとは会社も思っておらず、予想もできなかったと思います。
ところが、健康被害が出始めたため、会社に勧告を行っても、自主回収の動きは半年以上経っており、予想するに、あまりにも売れ過ぎたため、何とか自主回収は避けたいと考えたのだろうと思っています。その間も使用し続け、患者さんが増加した可能性もあり、企業としては誠意に欠けた対応だったのだろうと思います。
千葉県の幼児が胸に1か月以上のやけどを負ったとも報告されており、第二の茶のしずく石けんにならないよう案じています。



