小児科 すこやかアレルギークリニック

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緊張感
2013年02月20日 更新

先日、“食物アレルギー”の患者さんが当院を初めて受診されました。

最近は、ぜんそくもアトピー性皮膚炎も食物アレルギーの患者さんがいずれも困り果てて受診されます。私としては、地域で唯一の専門医として粛々と診療するのみです。

よく「誤診」の話をしますが、残念ながら医師側の問題です。

仮に患者さんが「食事の後に口の周りが赤くなった。食物アレルギーが心配だ。」ということで受診されても、患者さんは知識がないので、プロである医師に相談に受診されるのであって、患者さんが食物アレルギーという言葉を口にしても、医師は「本当に食物アレルギーなんだろうか?」と考える必要があります。

中には、いわゆる「醤油かぶれ」というようなケースもあります。要は、不特定なものの刺激で口の周りが赤くなることがありますが、特定なものでアレルギー反応を起こすのが食物アレルギーですから、これとは別に扱われるべきです。

確かに、食後に口の周りが赤くなれば食物アレルギーも考えられますが、「では、原因は何か?」と考える必要があります。

インフルエンザは減ってきていますが、いまだに検査が陽性に出る患者さんもいらっしゃいます。検査をしてインフルエンザが出ないと、ホッとする親御さんも多いのですが、ご存知のように検査のタイミングが早いと、“たまたま出なかった”ということもありますし、インフルエンザでなければ「この熱の原因は何なのだろうか」と悩む必要があります。

常に「どうしてなんだろう?」という“疑いの目”を持って診療に当たる必要があると考えています。

風邪と思って風邪薬を出していても、良くならず咳が長引けば「風邪じゃないんじゃないか?」とか、乳児湿疹と思って治療したければ、じきにぶり返せば「アトピー性皮膚炎なんじゃないか?」と考える姿勢があれば、「誤診」は繰り返さないと思うのです。

当院を受診される患者さんの多くが「誤診」をされており、地元の医療レベルを案じています。

冒頭の患者さんに戻りますが、ことさら腹立たしいケースに遭遇しました。

咳やゼーゼーを繰り返している患者さんが、某小児科で「ぜんそくではないか」と言われたそうです。これは「誤診」ではなさそうです。それはそれで良いのですが、アレルギー検査をやることになったそうです。

小児ぜんそくは、ダニが9割陽性に出ると言われており、確認の検査はしてもいいと思っていますが、どういう訳か一緒に卵も調べたそうです。

この患者さんは、卵は少しずつ食べており、調べる意味が分かりません。更に話は悪い方に転がっていきます。

検査結果は、詳細は分かりませんが、陽性だったそうです。前医では、それをもって「卵アレルギー」と診断されてしまい、親御さんは卵を食べさせるのを躊躇するようになってしまいました。

この患者さんは、卵を食べてアレルギー症状が出たことはなく、検査が陽性ということからすると卵アレルギーの疑いはあっても、卵料理も少しは食べており、現時点では卵アレルギーはない可能性が極めて高いと言えます。

敢えて言えば、卵アレルギーの診断は“でっち上げられた”ことになります。さすがに、こんな“診断”に呆れるしかありませんが、親御さんはこういう診断にも医師に感謝し、医療費も払っています。

私も判断ミスをすることもありますが、明らかな「誤診」をした時は、報酬が支払われないようなシステムを是非作って頂きたいと思っています。地元には、ビックリするような診療をしている医院さんもあり、それで経営が立ち行かなくなれば、そちらの方が市民にとっては有り難い話でしょう。

緊張感のなさが医療をダメにする、そんな気がしています。