小児科 すこやかアレルギークリニック

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クローズアップ現代
2013年02月22日 更新

昨日の夜、NHKの「クローズアップ現代」という番組で、食物アレルギーが取り上げられました。ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、見逃した方もおられることでしょう。

私もそういう番組があることは知っていましたが、何日に放映があるかは知りませんでした。自宅には「タイムシフトマシン」がありますので、見逃すことはありません。

これは、少し前にも触れましたが、私の使っている東芝のハードディスクレコーダーがNHKと民放合わせて6局を見る、見ないに関わらず常時8日分を録り貯めています。ですから、家に帰って好きな時間にゆっくり見ることができます。

仕事から帰ったのがちょうど番組が始まった時間だったので、リアルタイムで見ることができました。

番組の中で示されたデータでは、給食での事故が、報告のあったものだけで年々増加していました。予想するに、軽いものは報告されていないでしょうから、もっと多いのだろうと思っています。

そんな中で、調布市で誤食による死亡事故が起きました。起きてはならない最悪の事態が起きてしまったのです。

今回、亡くなった児童の親御さんから番組宛に手紙が出されていました。それによると、児童は自分のアレルギーの経験を活かして、将来科学者になりたいと希望していたそうです。

日頃から書いているように、小児科医や園•学校関係者が食物アレルギーに関する理解が足りないのは、当事者でないから、いわば患者さんの“いたみ”を充分分かってあげられていないからだと考えています。そういう意味では、本当にいい科学者になれたはずで、心が痛みます。

さて、こういう番組をみていると、つい出演する専門家は誰が出てくるのかと思ってしまいます。愛知の宇理須先生が出ておられました。私の友人の浜松で開業している川田先生の恩師の先生ですし、食物アレルギーのガイドラインはこの先生を中心としてまとめあげられたものです。

私も顔と名前は覚えて頂いており、当院がこだわって新潟県の食物アレルギーの啓発に一役買おうと独自に開催している「すこやか健康フェア」にもお呼びしたいと思っている先生の1人です。

宇理須先生がおっしゃるには、エピペンの対応は現状では難しいだろうということでした。学校のアレルギー疾患に関するガイドラインが作成されていますが、大枠が決められているものの、個々のマニュアル作りが必要だろうと話されていました。

アレルギー児に給食を提供する是非が問われていました。先のガイドラインでは、可能な限り給食を提供すると示されています。弁当なら安全という議論もあるでしょうが、隣の子の給食をもらって食べたりと万全でないことが分かります。

ヒューマンエラーという言葉も出てきました。文字通り、人間はミスをする動物だという意味です。となると、誤食時の対処法を学ぶ必要もあり、エピペンの実地トレーニングが重要とおっしゃっていました。

これは私も同感であり、私の力を入れているところでもあります。昨年は、エピペンを処方したお子さんのいる園や学校を20件ほど回りました。今年も既に何件か予定が入っています。実際にエピペンの練習キットを使ってみると、「ああ、こうやればいいんだ」と理解でき、使い方さえよく分からない不安から解放される先生方が多いと感じています。

番組の中で、取材した記者が「アレルギーの起こる前と後で対応に問題があった」と捉える児童の保護者の考えを紹介しています。悔やんでも悔やみきれないこととお察しします。

「娘の死をきっかけに、食物アレルギー対策の重要性が再認識され、多くの人達が改めて動き始めるのであれば、娘は『うん、それならいいや』と言うような気がする」というコメントも寄せており、食物アレルギーに携わる者として本人と、保護者のご意向に沿えるよう前に進んでいかなくてはと思っています。