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年は取りたくない
2013年02月28日 更新

「年は取りたくない」とよく言われます。

私もこの前の日曜にいきなり腰に痛みを感じ、しばらくは動くのも大変でした。重いものを持ったというきっかけは、特になかったのです。

同世代の“腰痛持ち”の方の話はよく聞きますが、まさか自分の身に降り掛かってくるとは、そんな驚きの気持ちが大きかったです。

お陰様で、今ではだいぶ落ち着いてきました。診療も普通に行なえています。一番気がかりなのは、乳児健診で赤ちゃんを持ち上げる時です(汗)。

小児科医を20年以上やっていても、腰痛を診ることはまずありません。仮に相談されたとしても、「整形外科に行ってね」と言うと思います。

いつも言っているように、病気があれば、「体に何が起きているのか」を知らなければ、治療や日頃の注意点さえも分かりません。小児科医は腰痛には“素人”なため、整形の先生に一度診てもらう必要がありました。

水曜午後の休診の時が受診のチャンスと思いました。総合病院では、午後は診療をしていないことが多く、開業医に行くしかありません。小児科だと耳鼻科や皮膚科はかなりかぶるため、知っている先生もいますが、整形はこれまであまり縁がなく、知っているドクターはいません。

特に、私自身が開業医になって知ったことですが、医師には本当に親身になってくれる、頼りになる「お医者さん」と、そうではないビジネスライクな医師もいるようです。これは自分の課題でもある訳ですが、患者さんの立場からすれば、「的確に診て欲しい」、「無駄な検査や処置はして欲しくない」、「親身に診て欲しい」と考えると思います。

近くに整形外科はいくつかあります。中にはいい先生もいるのでしょうが、誰がどんな医療をしているかは、近くにいても分からないものです。実際、かなりビジネスに偏った怪しい医療をやっている某科の医院さんのことを、地元の人はよく分かっていません。なかなか“裏の顔”は分からないもののようです。

ふと、だいぶ前のことになりますが、隣の街の病院に勤めていた時に一緒だった整形の先生が開業されていることを思い出しました。

昨年、中越地方の養護教諭の先生200人の前でアレルギーに関する講演をした時に、事前に頂いた質問の中に傷の処置に関するものがあり、傷の処置も小児科医は滅多にしないため、かと言って間違ったことは言いたくないため、その先生に相談したことがあります。

昨日の話じゃないですが、キチンと根拠のある、しかも誠意のある回答を頂き、「この先生は信頼できる」と感じました。ということで、その先生のところに行こうと決めました。

事前に電話で予約しようとしたら、予約は不要とのこと。つまり、来た順番に診るということのようです。自分が患者の立場になることはまずないので、戸惑うものです(汗)。空いている時間帯を目指して、受診することにしました。

いくら知り合いの先生とは言え、「同業なんだから優遇してくれ」なんて感じのかかり方は嫌だったので、普通に受診しました。医院のスタッフは私のことは知らないでしょうが、保険証を見れば、正体はバレバレでしょう。

だいぶ待たされることは覚悟しており、今年の「すこやか健康フェア」にお越し頂く、日本の第一人者の先生である伊藤節子先生の書かれた食物アレルギーの本を持っていきました。

比較的空いている時間帯だったこともあり、程なくして呼ばれ、診察室に入りました。その先生と一緒に働いたのは、15年以上も前のことでしたが、つい昨日のことのように接して下さいました。

やはり、加齢による腰痛でした。年は取りたくないものです(涙)。しばらくは腰に負担を掛けないよう、指導を受けました。

はやっている整形は、1日に200人以上の受診があるそうですが、「人として扱われるだろうか」という心配もありました。よくありますよね、怪我の部分だけしか診ないケースって。

以前から裏表のない人だと思っていたので、私の目に狂いはなかったというか、私の初めての整形外科受診は、満足のいくものでした。

病気が重ければ、ドクターにより見立ても変わってくるかもしれないし、例えば手術が必要なケースでは、適否ややり方がことなるのかもしれません。もともと軽い腰痛なので、どこに行っても診断は変わらないし、指導もそう変わるものではなかったと思います。でも、安心感って重要なんだと身をもって感じました。

初診の割に、思ったほど待たされず、そういう意味では拍子抜けでした。当院の課題の待ち時間の長さは、自分が他の医院さんを受診してみて、「やはりもう少し何とかしなければ」と思いました。ただ、当院は他院で満足のいく医療が受けられないという患者さんが多いので、クオリティーは下げたくないというのも譲れないところではあります。

一応、痛み止めの内服薬を出してもらいました。院外処方箋を出してもらいましたが、「えっ、薬局ってどこ?」と思いましたが、隣にあると聞き、寄ってきました。また問診票のようなものの記入を依頼され、「また個人情報を書くのね」と患者さんなら当たり前のようにやっていることを、お初に体験してきました。

薬を手に取ると、私の薬ということで名前が書いてあるのですが、「泰」の字が「康」になっていました。あまり気分は良くないものです。

いろいろ勉強になる、今回の受診でした。特に小児科の場合、かわいい自分の子が病気になり、親としては自分のこと以上に不安を抱えます。「受診して良かった」と帰る時に思ってもらえるように、安心感を与えられる医療が大事なのだと感じました。

患者さんが多ければ、一人当たりに時間を掛けられなくなりますが、それにより説明不足に陥り、病気の不安を取り除けなければ、それは本末転倒となります。聞きたいことも聞けずに、診察室を追い出す小児科もあると聞きます。この辺は問題外ですが、医療のバランスの取り方は難しいと考えさせられました。

それと同時に、「年は取りたくない」という思いを強くして帰ってきました。