小児科 すこやかアレルギークリニック

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何でダメなの?
2013年03月11日 更新

先日、当院にメールがありました。

差出人は養護の先生でした。申し訳ないですが、名前や学校名を見てもピンときません(汗)。実はあとで判明したのですが、会ったことのない方でした。

メールを読んでみると、今度その学校に通うお子さんに“アトピー性皮膚炎と思われる湿疹”があり、親御さんも気になっていたため、その養護の先生が当院への受診を勧めて下さったのだそうです。

勧めに従い、当院を初めて受診され、これまでは曖昧になっていた診断名を、私がアトピー性皮膚炎ですと診断したようです。その結果、症状が劇的に改善しており、親御さんが喜んでいるという内容でした。

こういうことはよくあるため、私はどの患者さんのことか分かりませんでした。3月初旬に当院を初診され、1週間後に再診されたばかりのお子さんがいらっしゃったので、思い切ってこういうメールがあったと聞いてみたら、ピンポンでした。

親御さんは、診断されたこと、治療が著効し、症状が改善したことをとても喜んで下さっていました。診察中に何度もお礼の言葉を述べておられました。

感謝されるのは、悪い気はしません。あまり何度もそう言われるのは照れてしまいます。ただ、私は当たり前のことをしているだけなのです。

そもそも、医師の仕事は、まず患者さんを困らせている病気を診断することから始まります。いつも言う通り、診断すらできない医師は、その病気に詳しくないから診断できないのであって、治療を任せることすらできないと言わざるを得ません。

アトピー性皮膚炎に関しては、相当いい加減に対応されているケースが多く、敢えて言いますが、小児科医、皮膚科医がもっと真摯に患者さんと向き合う必要があります。確かに難治なケースはあります。治療も困難です。しかし、そうでない軽症なケースでさえ、薬の使い方がおかしいことはよく見かけるのも事実です。

いつもガイドラインに沿って治療すれば、多くの患者さんの症状を軽快させられると言っていますが、そうされていないケースがあまりに多いことに呆れるしかありません。

治療の第一歩となる“診断”すらままならないと言っていますが、ちなみに、ガイドラインに載っているアトピー性皮膚炎の「診断基準」は日本皮膚科学会が取り決めたものが採用されています。私は日本小児科学会に所属していますが、日本皮膚科学会には入っておりません。逆に所属しているはずの皮膚科の先生が診断できていない事実をどう説明したらよいのか困惑しています。

今回の患者さんも、皮膚科に通っていたとおっしゃっていました。決して重くはなく、病気は軽ければ診断を間違いやすく、典型的な症状なら診断がつきやすかったりします。そう言うことだったのでしょうか?。

ただ、養護の先生がアトピー性皮膚炎であることを見抜いていらっしゃったからこそ、当院への受診を勧めて下さったのだと思います。「こんなことでいいのだろうか?」と首をかしげてしまいます。

先に述べた通り、紹介して下さった養護の先生とは面識はありませんでしたが、多分2年程前に上越の養護の先生を対象にアレルギーに関する講演をさせて頂いたことがあり、それで私のことを知ったのかなと思っています。

それで、親御さんから湿疹のことを相談を受けたのでしょうが、当院への受診を勧めて下さいました。親御さんからは、こんなに感謝されたことがないくらい、診察中に何度もお礼を言われました。紹介して下さった養護の先生にもお礼があり、それが今回のメールにつながりました。

残念ながら、今回の患者さんは、“氷山の一角”だろうと思っています。多分、養護の先生は、また似たような湿疹に悩む児童がいれば、当院への受診を勧めて下さると思います。私も困った人を救うのが仕事だと思っていますので、きっと当院を受診した方がいい患者さんはもっともっといるのだろうと思います。

先日、ある園にアレルギーの講演に行った時に「変なこと」を言われました。ある小児科に通っても症状が一向に改善しなかったため、見るに見兼ねて園の先生が当院への受診を勧めて下さったのだそうです。そうしたら、親御さんが怒りだしたと言うのです。

よほどかかりつけの小児科医を信頼していたのでしょう。他の小児科に行くことを勧められたことが気に入らなかったようです。園の先生は、ある意味公的な立場なので、個人の医院への受診を進めることは差し控えるべきという考え方もあるのかもしれません。

ただ、私に言わせれば、ちょっとお門違いかと思ってしまいます。つまり、怒りはかかりつけ医にぶつけるべきではないでしょうか?。というのは、何度通っても良くならなければ、医師の診断や治療に問題があることが多いからです。アレルギーに関してはよくありますが、専門医と非専門医の知識の差が大きく、医者を代えた途端、診断も治療も変わってしまい、その結果症状が劇的に改善することはよくあります。

患者さんが一方的にかかりつけ医を“信頼している”だけで、医師がその信頼に応えようとしていないから、診断を間違ったり、良くなっていないのに同じ薬を出し続けるというような、明らかにおかしな医療が行なわれていることが多いことに患者さん達は気付いて頂きたいと思っています。

そういう意味では、当院は5年半前に上越の地に開院しましたので、ほとんどが他の医療機関を受診していて、治療しても良くなっていない患者さん達です。敢えて言えば、かかりつけ医から裏切られた格好の患者さんがほとんどを占めています。

園や学校の先生が、親切心からアドバイスをしているのに、怒られてしまうのは何ともやりきれないものです。その園の先生は、そういうクレームを受けて、「お医者さんを代えるのも考えのひとつですよ」としか言えなくなったそうです。

小児科医は、感染症やアレルギー、新生児、腎臓、神経など子どもに関する様々な病気を扱いますが、一人の医師がすべての病気を完璧に診ることは不可能であり、多くの患者さん達が知らないでしょうが、細分化された分野にそれぞれ専門医がいます。

何のための専門医かと言えば、普通の小児科医に対応できないようなケースをキチンと治療できるためです。園や学校、行政が例えば当院が「アレルギーを専門的に診てくれる、上越市では唯一の小児科ですよ」と言ってあげることを何故ためらうのか、何でダメなのかよく分からないのです。

小児科領域もかなり細分化、専門化しており、多くの小児科医が専門分野を持っていますので、そういった特性を活かし、連携・協力していけば、患者さんも助かるし、地域の医療レベルもあがるはずです。冒頭のケースが良い例だと思っています。

紹介して受診するかどうかは保護者が決めればいいと思っており、また今回述べたクレームを言う方はごくごく一部だと思いますので、なかなか改善しない患者さんを救うためにも、園や学校、行政がもっとものをハッキリ言ってもいいのではないかと思っています。