小児科 すこやかアレルギークリニック

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“食わず嫌い”
2013年03月13日 更新

12日から「食物負荷試験」を再開しています。

開業医で、負荷試験をやる医師はとても少ないと思います。多くが、“食わず嫌い”なのだと思っています。これは患者さんがではなく、医師がという意味です。

確かに昨日も、卵の加工品を使って負荷試験を始めたら、一口食べて止めてしまいました。ずっと母親が除去してきたものを、いきなり食べろと言われても、なかなか食べてくれません。いわゆる食わず嫌いになっているのだと思います。

初めて口にするものに警戒して、食べないこともあるのだと思います。そこで、近くのコンビニで別の加工品を買ってきてもらい、負荷試験をし直すことにしました。今度はあっさり食べてくれました!。

話はズレましたが、多くの医師が負荷試験は「怖い検査」だと思っているのだと思います。負荷試験をしたことのない医師がほとんどで、本当なら、年間数百件を実施している当院が一番怖い思いをしているはずです。

ところが、昨日もそうですが、負荷試験を終わった時の母の嬉しそうな顔を見ると、「また頑張ろう」と思います。「やめられない、とまらない」のです。私自身が、負荷試験に“中毒”症状が出ているのかもしれません(笑)。

どの母親もお子さんには、すくすくと大きく、強く育って欲しいと願っています。そのためには食事は欠かせません。食物アレルギーは、その食事に不安を抱えています。しかも、1日に3回食べますし、おやつもあります。いつ家の中にしまっておいた食材を口にしてしまうかもしれません。

「食べられるものなら食べさせてあげたい」、「除去の日々から解放されたい」というのが本音でしょう。中には重症で、それが叶わない親御さんもいますが、多くの患者さんがそこまで重症ではなく、治ることも期待されます。

いろんなことを考えると、私自身は「怖い検査」でやりたくないとは思っていません。また、当院の場合、加工品を使って、食べられそうなものを確実に食べさせる、というコンセプトでやっています。

実際、確かに卵アレルギーならば、卵1個を使った卵焼きを負荷するのが最終目標ですが、食物アレルギーの治療は「必要最小限の除去」と言われています。“食べられる範囲”で食べさせるべきで、卵焼きが食べられなくても、卵入りのお菓子を食べられれば、それはOKと判断します。

これは開業医に見合ったやり方と自負しており、来月広島で開催される日本小児科学会でも発表してきます。やり慣れていることもあるでしょうが、あまり「怖い検査」とは思っていません。となると、多くの医師が“食わず嫌い”になっているのだろうと思っています。

昨日は、5件の負荷試験をやりました。もっと大勢できればいいのですが、アレルギー症状が誘発されれば、診療が全くストップしてしまいます。開業医は、医師が一人しかおらず、来られた患者さんを診る必要があります。ストップしたこともありますが、その分、どんどんずれ込んでいきます。診療を誰も手助けしてくれません。

加工品を用いるとは言いましたが、もちろんゴールは卵アレルギーなら卵焼き1個、牛乳アレルギーなら牛乳200mlです。昨日実施した5人のうち、2人は卵焼き、1人は牛乳を使いました。つまり、加工品は食べられているので、最終目標にトライした訳です。

ということは、残りの2人は加工品を用いたことになりますが、食べられたため、その次の負荷試験は卵焼きに挑戦することになります。

昨日は、5人とも無事に食べきりました。皆さん、笑顔で帰っていかれました。しばらく負荷試験を休止していましたが、上々のスタートだと思っています。

負荷試験再開をアナウンスして、1週間も経たずして、既に数十件の予約が入っています。それだけシロクロをつけたいと考え、積極的に取り組んでいこうとする親御さんが多いのだろうと思います。

アレルギー検査の数値が陽性なのを見て「食べてはいけない」と指導する医師が多い中、徐々に地元の食物アレルギーの関する正しい知識が広まってきていると感じており、親御さん達が「怖い検査」だと認識されていないのだろうと思います。

これからも多くの患者さんの期待に応えていかなければならないと思っています。