調布の死亡事故でも話題になりましたが、食物アレルギーで重篤な症状が出た場合、エピペンという緊急対処の注射薬を使うことがあります。
エピペンを処方したことすらない小児科医が大勢いる中、県内ではトップクラスに処方していると思います。処方されるべき患者さんにすら処方されていない現状は、心配で仕方ありません。
ご存知の方もいるでしょうが、昨年4月にエピペンがマイナーチェンジされました。円筒状で、使用後に針が飛び出したままの旧いタイプから、楕円形となって転がりにくくなり、使用後に針が格納されるタイプに変わったのです。
針が飛び出したままでは、エイズや肝炎ウィルスなどの感染症がうつることも考えられます。当然それでは危険なため、ニードルカバーというものが装備され、針刺し事故を防ごうとしています。
エピペンは消費期限があり、約一年で使用しなくても買い替える必要があります。以前は保険が利かなかったため、自腹で買って頂いていましたが、今は保険診療でカバーされています。こちらも気兼ねなく処方できるという訳です。
使用期限の切れたエピペンは、そのまま捨てるのはもったいないので、多くの専門医が“試し打ち”に使っていると思います。本人もしくは親御さんに使ってもらい、実践練習をするのです。
もちろん、本人には注射しません。当院ではグルグルに巻いた布を本来打つべき太ももにあてがい、そこに注射してもらっています。
昨年の仕様変更以来、エピペンのメーカーから新しいタイプの練習用キットを取り寄せ、講演の時などはそれを使用して、打ち方を指導しています。練習用のキットは、言わば携帯電話売り場のプラスチック製の電話の見本のようなものです。つまり、見かけはそっくりですが、ちゃっちいのです。
練習キットには、先に述べた飛び出た針先を覆うニードルカバーらしきものが付いています。私もそれしか見たことはありませんでした。
先日、新しいエピペンの使用期限が切れるということで、買い替えにこられた患者さんがいらっしゃいました。これまで所持していたエピペンで試し打ちをすることにしました。
その時の画像がこれです。左がちゃっちい練習用のキットで、右が本物です。やはり本物の方が立派な作りになっています。
私も初めて見ました。



