WBCが終わりました。
ドミニカの連戦連勝で、結局全勝優勝で世界の頂点に立ちました。とは言え、決勝や準決勝では接戦でした。そうなると、日本とドミニカは当たりませんでしたが、日本はドミニカとの差はあまりないのかもしれません。ちょっとしたピッチャーのできや、打線の調子で勝敗が分かれるものだろうと思っています。
こういう医療とは関係のない始まりは、次の展開の布石だったりします(笑)。今日のタイトルの3連勝とは、負荷試験のことです。勝ち負けと書くのは不謹慎だというご意見もあるでしょう。ただ、負荷試験自体がシロクロを付ける検査ですので、3戦して3勝していることを表現したかったのです。
たまにこの場に登場して頂いている患者さんで、N市から受診して頂いています。地元の病院で診てもらっていたそうです。大病院に入院したこともあるくらいの、とにかく重症のアトピー性皮膚炎だったそうです。
その患者さんが離乳食を始めるに当たり、前医でアレルギー検査をしたそうです。このアレルギー検査、0から6の7段階になっていて、クラス2以上が「陽性」とされます。ただし、多くの医師がそして患者さんが勘違いしていますが、「陽性」=「食べられない」訳ではありません。
前医で検査する全ての項目がクラス2以上で、卵、牛乳、小麦などは軒並みクラス6でした。それらを「食べてはいけない」と指導されていました。これは往々にして、非専門医の悪いクセです。きっと「食べられるものを探してあげよう」という気持ちだったのでしょうが、結局、積もり積もって調べた42項目全てが「陽性」でした。
困り果てて、当院を受診されたのですが、「何を食べさせたらいいか?」というのが受診理由でした。
こういうのを私は許せません。ただでさえ、重症なアトピーがあり、しかも小柄な赤ちゃんで、大きく育てたいのに、食べられるものがない。バッサリ切り捨ててしまいますが、小児科医が悪いのです。つまり、なぜこんな状況で専門医に紹介しないのかということです。
この先生がどうか分かりませんが、「誰が診ても同じ」と考える医師もいるでしょうし、プライドが許さず紹介しない医師もいるようです。生きるために食べねばならず、「食」にかかわる食物アレルギーを持つ親御さんにしてみれば、非常に切実な問題です。残念ながら、食物アレルギーを甘くみている医師が極めて多いと言わざるを得ません。こんな状況で、犬も食わないような、プライドなんてどうでもいいことです。
当院を受診された当時、離乳食を開始していました。アレルギー検査の項目は、卵白、ミルク、小麦などがありますが、魚やナッツ類、甲殻類、果物のほか、米や野菜などなど多岐に渡ります。今回の患者さんも、食品のほとんどが検査されていました。
多くの患者さんが医師の言うことを信じていますが、嫌な言い方になりますが、医師のウソを暴くことから始めなければなりません。すでに米や野菜は食べていました。これらも結果は「陽性」でした。しかし、食べても少なくとも重篤なアレルギー症状は出ておらず、食べられることが分かります。
こう言った時に、お母さんの表情が明るくなったように見えました。困り果てて受診されたので、時間をかけていろいろ説明しました。これまで何度も通った前医の説明の合計時間よりも、一度に話したんじゃなかろうかと思います。
これも敢えて言いますが、食物アレルギーは頻度も高く、身近な病気ですが、詳しくない医師は驚くほど知識が少なく、当院にかかっている親御さんの方が明らかに詳しいくらいです。そういう事実を患者さんは知っておかなければなりません。
その日は、「42品目の陽性の中に『食べられるもの』と『食べられないもの』があり、それを探していきましょう」と話しました。いつものことですが、「食物負荷試験」の話は前医では一切出ず、犯人探し(食べられないもの)は負荷試験でシロクロつけていくしかないことも説明しました。
この患者さんも、初診から1年半以上経っていると思いますが、何度も負荷試験をやっています。当院は加工品から負荷試験をやることが多く、濃いものへ進んでいきます。こういう主要アレルゲンの多くがクラス6の患者さんには、慎重に進めていった方が、アナフィラキシーのリスクも少ないと思います。
小麦もクラス6でしたが、意外と食べられることが分かり、うどんに挑戦しましたが、十分量食べられることが分かり解除しています。サケも6でしたが、大丈夫でした。
先日、やはりクラス6だった卵も卵焼きで負荷試験をやりましたが、これもOKでした。もう私の方が、何が何だか分かりません…。
かと言って、他のゴロゴロ存在するクラス6や5の“難敵”が、小麦や卵のようにすんなり食べられるとは限りません。油断をして、しっぺ返しをくらうかもしれません。
“恐る恐る”という慎重な姿勢は崩すつもりはありませんが、4連勝、5連勝と突き進んでいきたいと思っています。


