昨日も、水曜の午後の休診を利用して、エピペンの講習に行ってきました。
当院で診ていた重い牛乳アレルギーのお子さんが、アナフィラキシーを起こし、地域の病院に入院したことを契機に、エピペンを処方したのはもう2年近く前のことになります。
このお子さんは、保育園に通っていました。ちょうど厚生労働省が保育所におけるアレルギー対応ガイドラインを公表してまもない頃で、先ほど述べたアナフィラキシーを起こした現場が、自宅でなく保育園だったため、「是非とも園でもエピペンを預かったもらわねば」と考えました。
園長に「厚生労働省がこういうものを出しているんですよ」とガイドラインを示し、園でもエピペンを預かり、場合によっては保育士が注射する時代になっていることを説明したのですが、なかなか理解が得られませんでした。
そんな中、実はもう一度をアナフィラキシーを起こし、入院してしまいます。しかも、先の入院から1か月も経たない状況でです。もちろん、乳成分の除去はしてありました。食べた食材をみてみても、これと言ったものは食べていませんが、多分乳成分の混入があったのだろうと思っています。
園側も一生懸命やっていたのですが、保育所で立て続けに2回アナフィラキシーを起こし、近くの病院に入院してしまったのは事実です。過去2回は間に合ったかもしれませんが、今度はどうなるか分かりません。どうしてもエピペンは保管して頂きたいと思いました。
ただ、やはり拒否反応が強いのです。ということで、県庁に相談することにしました。県庁経由でその街の市役所に連絡が行ったようで、即日に前向きに対応することが決まりました。
そこからは早いものです。私もその園にエピペンの打つタイミングなどの説明に出向いていますし、それだけに留まらず、園の職員を集めての講習会や、養護教諭対象の研修会も立て続けに行なわれました。なかなか動こうとしない中越地方の某市には見習ってもらいたいものです。
実際にエピペンの預かり、最悪のケースで保育士がそれを投与する体制が整えられました。新潟県内では、私の知る限り初めてのことです。園の先生方のご協力の賜物でしょうが、2回立て続けに起きたアナフィラキシーも起きることはありませんでした。
実は、スーパーで購入したチキンに乳が使われており、アナフィラキシーを起こしたことは1回あったのですが、これは自宅での誤食でした。
それから1年と数ヶ月の歳月が経ち、この3月に無事に保育園を卒園しました。その際に頂いたのが、この手紙です。
昨日の講演は、4月から通うことになる小学校が、今度はエピペンを預かることになるため、小学校の職員全員がいつでも打てるような体制づくりに協力するために、出向いたものです。市役所が間に入り、セッティングしてくれました。市内の子どもを守るために、行政が率先して介入し、その子の通う小学校でも引き続き、キチンと対応して頂けるものと確信しています。
これはどうでもいいことですが、地元の医師会が決めた謝礼が支払われることになっています。先ほど出てきた中越地方の某市のように、私が出向いてもびた一文払わないと言った行政とは大違いです。提供されるべき情報も与えられず、こんな行政のある街に住む患者さんが不憫でなりません。
私自身、お金のためにやっている訳ではなく、お礼としてお菓子を頂いたこともあります。120キロ遠方の小学校に出向いてガソリン代も出なかったこともあります。それはそれで構わないと思っています。食物アレルギーの知識を広めるために、こちらがお金を払ってもいいと思うくらいですから(笑)。
いずれにしても、当初は食物アレルギーに理解のない園や行政とある意味、戦ったのですが、キチンと理解をして下さるに至り、重症な牛乳アレルギーのお子さんが無事に卒園できたことは喜ばしい限りです。
昨日は、今度通う小学校の職員全員が私の話に耳を傾けて下さいました。小さな園でも対応できたので、今度の小学校は先生の人数も多く、協力し合って誤食を防ぎ、万が一の際には的確に行動して頂けるものと思っています。



