よく患者さんから「忙しいのにすみません」と言われます。
診察した後に、いろいろ質問されるのも仕事のうちだと思っています。「それも仕事ですから」と言うようにしています。私の知識も万全ではありませんが、知っていることを困っている患者さんに提供し、それが患者さんに役立つのなら嬉しいことです。
日々、朝から晩まで診療に没頭しているつもりです。最近は、食物負荷試験の件数も多く、昼休みが取れません。午前中の診療が12時半に終わることは滅多になく、終わったら終わったで、それから食物負荷試験を受けた患者さんの説明タイムに入ります。負荷試験で食べられた、食べられなかったという事実を踏まえ、どうしていくかの説明をしているのです。
「食べられて良かったね、じゃあね」の一言では済ませられないので、どう食べ進めていくのか、食べられなかった場合は、今後の方針なども伝えなければなりません。一人一人にそういう話をしていくと、あっという間に午後の診療開始時間になってしまいます(涙)。
ましてや、負荷試験でじんましんや咳、嘔吐などの症状が出てしまえば、抗ヒスタミン薬やアドレナリンを使い、症状が治まるまで見守る必要があります。
症状が誘発され、お子さんを辛い思いにさせてしまうことは申し訳ないことだし、この前も言ったように、投与した薬がどのようの効くのか、親御さんと一緒に確認する必要があります。誤食があり、再度アレルギー症状が出た時に、今回の負荷試験の時の私のやった対処を見て頂き、つかみ取って頂けたらと思っています。
そんな毎日なので、診療の合間にボーっとする時間はなく、トイレに行く間も惜しんでいるという感じです。それは有り難いことだと思っています。
最近は、エピペンを処方するケースも多く、処方したことがなければ分からないと思いますが、結構面倒な手順を踏まなければなりません。
エピペンは、小児科医なら誰でも処方できる訳ではありません。使い方等の研修を受け、知識を持っていないと処方できないルールがあります。
メーカーが、どの医療機関からどういう患者さんにエピペンを処方されているか把握する必要があり、基本情報を用紙に記入します。もちろん、練習用のキットを使い、患者さんに使い方や使うタイミングを説明します。
更に、食物アレルギーの診断書の記入を求められるケースもあり、何をどこまで食べているのか親御さんに確認しながら、記入していきます。これも多種類の食品を除去している場合は、かなり時間を取られます。
いまだに食物アレルギーの診断書に、血液によるアレルギー検査の結果を添えて提出を求める園や学校もあるようですが、アレルギー検査の結果をみても食べられる・食べられないが分からないから負荷試験をやっているので、いまだにおかしな風習が残っていると言わざるを得ません。
当院の採用している診断書は、アレルギー検査の数値を記載する欄がなく、食べられない根拠を書かねばなりません。中には、卵や牛乳アレルギーがあり、「それだとソバやピーナッツも心配」という親御さん側の心配で除去というか、食べさせていないケースもあります。意外と少なくないのです。
そういう「心配」は、確かに不安だとは思いますが、「食べられない根拠」にはなりません。場合によっては、これらの食品を検査で調べ、クラス0や1であれば「もしかして食べられるのでは?」と考えて頂きたいのです。
「怖くて食べさせれない」と言われれば、「医院で食べさせてみますか」と言い、負荷試験の説明をしなければなりません。一般的に怖いと捉えられているピーナッツやソバなどの食品がクラス2程度の陽性という理由で、ずっと食べずに放置されているケースもあり、ずっと食べていないのならシロクロをつける必要も出てきます。
診断書ひとつを取っても、卵など一品のみ除去であれば記入は簡単ですが、いろいろ聞いてみると「実は、あれもこれも食べさせていない」なんてことが判明し、それを打開するには採血をしてみたり、負荷試験が必要になってきたりします。診断書に“根拠”を持たせるのは、結構時間がかかるのです。
最近は、待ち時間が長く、ご迷惑をお掛けてしています。言い方は変ですが、テキトーにやれば、もっと待ち時間を減らすことは可能です。当院がそんなことをやっては、地元の医療レベルは上がっていきませんし、困っている患者さんに解決の糸口も提供できないことになってしまいます。
真面目にやろうとしたり、こだわれば、時間がかかるのが本来の医療であることを理解して頂けますと幸いです。


