昨日も夕方、食物アレルギーの誤食時の対応の話をしてきました。
私の診ている食物アレルギーの重めのお子さんが通っている園なので、聴衆は20名あまりでした。私は大きな会場で話すことで、食物アレルギーの最近の考え方を一度に大勢の方に伝えることができるのも便利だと思いますが、こじんまりとした会場で一体感を持って話ができる方が好みだったりします。
困難な時はチームワークで乗り切る、これは重要なことです。
実際、学校なら養護教諭という医療の知識を持った人がいますが、保育園や幼稚園ではそうはいきません。責任者は園長と、全てを園長に任せっぱなしではいけないし、そもそも園長が不在時にアナフィラキシーショックを起こすかもしれません。
職員全員で話を聞いて頂けば、誰かに責任を押し付けるのではなく、役割分担をして対応できるのではないかと思っています。
やはり、例の調布のこともあり、現場では食物アレルギーに不安を感じていることが伝わってきました。昨日も触れたように、“エピペンを持たない”子の対応の方が難しいと感じているようです。
それなりの割合で保育士の方が食物アレルギーのお子さんを扱ったことがあるのだろうと思います。ただ、多くが軽症なお子さんであり、エピペンを持っていたり、“エピペンを持たない”子を扱う経験はないのだろうと思っています。
牛乳アレルギーの患者さんで、飛び散った牛乳が皮膚に付き、そこが赤くなることがあります。そう話すことで、「この患者さんは、決して軽症ではないですよ」ということを理解して頂こうと思っているのですが、それが私の意向とは裏腹に、恐怖心を煽ることにつながることもあるようです。
決して甘く見ていいとは言いませんが、過剰になり過ぎるのもどうかと思っています。重症な食物アレルギーを扱ったことのない保育士の先生方にとって、そういう子を預かることを相当にストレスなのだと思います。
その園で、既にエピペンを処方している重症な牛乳アレルギーのお子さんは、この春で年長になります。過去2年、明らかな誤食もなく、これまでやってきたことを続けて頂ければ、この最後の1年も乗り切ることができるのだろうと思っています。
一方、この春新入園のお子さんに関しては、卵と乳製品はアレルギー検査の結果が極めて高く、負荷試験もできていない状況であり、小麦は微量でも反応してしまいます。ということで、いわゆる3大アレルゲンを除去中です。他にも除去品目があります。
そういう意味では、この園では歴代でトップクラスの重症と言えるのだろうと思います。担任の先生など皆が口を揃えて不安を訴えていました。こういうお子さんがいきなり入園してくるのでは、どうしていいか分からないでしょうが、年長になる先輩がいて、過去2年は乗り越えてきた訳です。それなりに蓄積されたノウハウはあると考えています。
現時点で卵と乳については、負荷試験もできておらず、どれくらい食べられるのかを評価することも園に協力できることのひとつでしょうから、それも考えています。もちろん、その情報も園側に提供したいと思っています。
お母さんにしても、お子さんを園に初めて預ける訳ですから、不安な気持ちも大きいようです。あまりに開き直り過ぎて「何とかなるさ」では、私も不安になります。不安だと思っている方が、より慎重な対応が可能になると思っています。
園側もお母さんも不安の中での船出となりますが、ひとつひとつを経験しながら、徐々に自信をつけて頂きたいと思っています。


