小児科 すこやかアレルギークリニック

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救急車2台
2013年04月23日 更新

週末は、学会発表でしたが、広島の味も堪能できました。

牡蠣や広島風お好み焼きも有名ですが、それらも食べてきました。学会というと東京や横浜が多いですが、地方に出た場合、その土地の美味しいものを食べられるのもメリットかもしれません。

金曜と土曜を休診にしてしまった訳ですが、その反動というか、しわ寄せは確実に出るようです。月曜は昼休みもほとんどなく診療し続け、診療が終わったのも20時近くで、ちょっとだけ「休まなきゃよかった」という考えが頭をよぎります(汗)。

先週のことですが、ある中学生を診察しました。学校で給食を食べて、運動したらじんましんが出て、息苦しくなって…という話が出てきました。

こういう場合、食物依存性運動誘発アナフィラキシーを考えます。当院では1年で何人かこういう患者さんに出会うことがあります。

病気の説明などいろいろ話した後、他の患者さんの診療に戻ります。風邪だったり、胃腸炎だったり、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の調子が悪いなど、数人診た後、中学生くらいの患者さんの番になりました。「学校で給食を食べたて、運動したらじんましんが出て、息苦しくなって…」。どこかで聞いたばかりのフレーズです。

病態は、先ほど述べたように食物依存性運動誘発アナフィラキシーが考えられる状況でした。食物依存性運動誘発アナフィラキシーは原因食品は、小麦が最多で、次が甲殻類です。2人とも給食に中華丼が出たと言います。エビが入っていたようです。

「2人とも中華丼?」と思うと、何と2人とも同じ中学校で、午後からの体育の授業で具合が悪くなったそうです。2人ともじんましんに呼吸困難がみられ、学校側は救急車を呼んでくれました。何と、同じタイミングで、ひとつの中学校に救急車が二台到着したそうです。

しかも2人とも当院で診ているアレルギー体質の患者さんでしたが、2人とも食物依存性運動誘発アナフィラキシーと思われるエピソードは初めてでしたが、こんなこともあるのかと驚かされました。

アナフィラキシーショックの患者さんの受け入れは、入院の上、集中治療が必要になるため、開業医の当院には難しいですが、アナフィラキシーなら可能です。ただ、これは当院が休診の水曜の午後だったので、市内の病院に2人とも搬送されたそうです。病院の小児科の先生もビックリされたことと思います。治療して頂き、症状も軽快しています。

あとは、診断が必要になります。最近は、アナフィラキシーを起こしやすい食物依存性運動誘発アナフィラキシーであっても、専門医は負荷試験を行ないます。

この病気は、小麦や甲殻類などを食べて、運動するという二つの要素が組み合わさって症状が誘発されます。食べたら運動しない、食べずに運動するという対応を取ることによって、症状を出させないことができます。そのためには、何を食べて運動すると症状が誘発されるということを証明しないといけません。

そうしないと、患者さんは言い方は悪いですが、爆弾を抱えているようで、いつアナフィラキシーに晒されるか分からず、不安な毎日を送ることになります。

当日の給食は、麺類やパンなどの小麦が出ていませんでした。その日に出た中華丼にはエビも入っていました。これまでエビは食べていても、中学生くらいになってある日突然発症することもあるため、過去にエビを食べて運動しても何も起こらなかったという情報だけでは、エビが原因ではないという証拠にはなりません。

実は1人の患者さんは、エビアレルギーで当院にかかっていました。ほんの少し前にエビで「食物負荷試験」を行なっていました。その時は食べられることを確認しています。ただ、家でエビフライを食べたら、じんましんが少し出たということで、当日も中華丼の中のエビを食べないよう取り除いていたそうです。

「じゃあ何故?」となりますよね。これは推測ですが、エビの主要アレルゲンのトロポミオシンというタンパクは水溶性なため、エビを取り除いてもアンの中に残っていたのかもしれません。

本来なら、エビを食べて、運動負荷をかけてアレルギー症状が誘発されるかを確認する必要があります。なかなか周囲でこういう負荷試験をやってくれる医療機関がないため、当院でやらなければならないのかなとも考えています。

負荷試験をやっても症状が誘発されないこともあると言います。それはそれで仕方のないことかなと思いますが、原因食品を特定する努力は必要です。その一方で、ちょっとした不注意などで食べて、運動してしまうことがあるかもしれません。またアナフィラキシーの状態に陥るかもしれないのです。

ということで、2人ともエピペンの所持を勧めました。2人とも近々処方予定です。学校側が望めば、エピペンの使い方や使うタイミングを説明に行くことになると思います。同じ学校なので、“一石二鳥”というか、一度に2人の話ができそうです。

最近はエピペンを処方する機会の増えており、精査や講演に忙しくなりそうです。