小児科 すこやかアレルギークリニック

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クラス6でも「諦めないで」
2013年04月25日 更新

昨日も、市内の小学校にエピペンの話をしに行ってきました。

学校や園側はエピペンの使い方を知りたいと思っているので、もちろんそういった話をしていますが、抱き合わせで食物アレルギーの基礎知識についてもお話ししています。

食物アレルギーの分類は4つに分けられますが、乳児アトピー性皮膚炎の悪化要因となっているタイプの他、即時型反応、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、口腔アレルギー症候群が挙げられます。

分類の説明のところで、「あなたの肌、諦めないで」のCMで有名となった茶のしずく石けんの話を持ち出すと、食物依存性運動誘発アナフィラキシーのことは理解して頂けることが多いようです。やはり、一般の方にとってもインパクトの大きな事件だったのだろうと思います。

その「諦めないで」の話ですが、日々真面目に食物負荷試験を実施しています。

多くの医師がアレルギー検査の数値が高いだけで、食べることを半ば「諦めなさい」と宣告している訳ですが、確かに実際に食べて症状が出るのであれば、今すぐ食べるということは避ける必要があります。私はひねくれ者なのか、アレルギー検査の数値がクラス6であろと「何か食べられるだろう」と考えています。

卵アレルギーの患者さんの最終目標は、卵を含む食品、例えば卵焼きやオムレツ、プリンなどを何ら制限なく食べることだと思います。しかし、最初からそういった濃い卵を含む食品は無理にしても、せめて少なく含む食品を食べさせてあげたいというのは親心でしょう。当院は、そのお手伝いをしているのです。

「完全除去」とは、卵を含む一切の食品を食べてはいけないことを表します。親御さんには1ミリのミスも許されないという意味です。言うは易し、行うは難しで「完全除去」と一言いうのは簡単ですが、1日3食(あるいはオヤツも)、365日×何年を除去し続けることはとても難しいことです。

ということもあり、私はその「完全除去」という完璧を求める状況を早く脱却させてあげたいと考えています。実際に、クラス6でもお菓子などを食べさせている実績があるので、クラス6=「完全除去」とは思っていないし、思いたくもないのです。

先日も、卵白がクラス6のお子さんに卵入りのクッキーを使って負荷試験を行ないました。規定の枚数を何ら症状が出ることなく、完食してくれました。卵の数値のクラス6の患者さんが全てそうだとは言いません。しかし、クラス6だから全てを諦めるのは違うと言いたいのです。

そんな考え方から、先日ミルクがクラス6の患者さんにミルククッキーの負荷試験を試みました。

調布市の死亡事故もそうですし、時々マスコミでも取り上げられる経口減感作療法(免疫療法)も卵や小麦は上手くいくことが多いけれど、牛乳の成績は劣ると言われています。当院の実績でもミルクの値が数値が高いと、負荷試験をしても症状が誘発される可能性が高いのも事実です。

だからと言って諦めたくなかったので、親御さんと相談のもと、ミルクの値がクラス6であってもミルククッキーに挑戦しようということになったのです。

結果は、なんと、あっさり食べられてしまいました。正直、何か症状が出るはずとこちらも身構えていましたが、諦めないで良かったと思っています。

多くの患者さんが卵や乳、小麦の数値が「クラス6だから食べられない」、そう思っているのは事実でしょう。主治医からそう言われていることを、一方的に“信じている”訳です。

食物アレルギーでお困りの親御さんには、「完全除去」という出口の見えないトンネルから脱出して欲しいと願っています。クラス6=絶対に食べてはいけないという固定観念に捕われ過ぎると、身動きできなくなってしまう可能性があると頭に入れておいて頂きたいと思っています。