小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

間違っていないようだ
2013年05月15日 更新

先日、学校で2人の生徒がアナフィラキシーを起こし、近くの病院に搬送されるということがありました。

2人とも当院で診ている患者さんで、給食後に体育をしてアナフィラキシーの状態に陥りました。少し前に書きましたが、同じ学校に通う生徒が2人同時に発症し、救急車も2台が呼ばれ、同じ総合病院に搬送されました。

アレルギー体質があるから当院で診ていたものの、食物依存性運動誘発アナフィラキシーがあるなんて思ってもみませんでした。患者さん本人が一番でしょうが、学校側や病院の先生もビックリされたと思っています。

この2人の患者さんは、特定のものを食べて、その後運動するとアナフィラキシーを起こすという食物依存性運動誘発アナフィラキシーと考えています。いずれも皮膚症状の他に、呼吸困難などの呼吸器症状が見られています。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、一度症状を起こしてみないと分からないと言われています。原因は、小麦が最多で、次が甲殻類で、これらで原因食品のほとんどを占めるとされます。

2人のうちの1人は、甲殻類のアレルギーで当院に相談に来ており、「食物負荷試験」を行い、一応食べられることを確認していました。ところが、私も予想もしていなかったのですが、食べて運動すると症状が出てしまうようなのです。

アナフィラキシーを起こせば、またいつ同様の症状が出るか分からず、もちろん予防が大事ですが、発症時の対処も重要になってきます。ということで、エピペンを処方することにしました。

ちなみに、もう1人は原因がハッキリしませんでした。先に述べたように確率論から言えば、小麦と甲殻類から絞り込んでいくことになろうかと思います。運動に対する欲求が強い年齢なので、原因を分からないままにするのが医者としては一番気の毒で、何とかせねばと思っていました。

その2人の患者さんが、どういう訳か、また同時にアナフィラキシーを起こすことになるのです。また同じく救急車が呼ばれ、同じ病院に搬送されました。もう一つ共通点としては、2人ともエピペンを打っています。

話を聞くと、1人は自分で打ちましたが、もう1人は「怖くて打てなかった」そうで、養護の先生が打ったそうです。学校にエピペンの話をしに行った際に、自己責任としたいのか「なるべく自分で打たせたい」という教師もいますが、難しいことも多いことを理解して頂きたいと思っています。この生徒は自分で打つことも頭では分かっていても、急に呼吸困難になり冷静でいられなかったのだろうと予想できます。

2人ともエピペンを使った訳ですが、効果はあったようです。病院に搬送され、処置を受けた後、入院せずに帰りに当院に寄ってくださいました。示し合わせた訳でないでしょうが、夕方の混雑する外来の中をほぼ2人同時にです。何でこんなにシンクロしちゃうの?と思うくらい、同時にことが進んでいます。偶然でしょうが…。

調布市の死亡事故を受けて、それから得られる教訓は、「エピペンは、なるべく早めに打ってください」とほかありません。

ただ、多くの園や学校の先生方が、“なるべく早く”と言われても困ると思います。エピペンを打つことは、患者だけでなく先生方にも怖いことです。

どういう薬で、打たなければどうなる、結果的に打たなくていいのに打ったらどうなるか、起こりうる副作用はどういうものかなどなどを知っておかないと、怖くて打つことはできないだろうと思っています。

私は各園や学校に出向いて、まさにこういう話をしているつもりです。それが“なるべく早く”打つことにつながってくれたらいいなと思っています。

当院では、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの患者さんは何人か診ていますが、この春に発症した、今日取り上げた2人を含めた3人を診ることになっています。

この3人にエピペンを処方したのですが、3人とも処方早々にエピペンを使うことになってしまっています。言い訳するつもりはありませんが、逆に繰り返さないためにも、なるべく原因を追及する必要があると思っています。

1人は、甲殻類を誤って食べたことが原因かなと思っています。もう1人は、繰り返すことで共通点が見えてきて、もしかしたら果物ではないかと考えています。更なる1人は、まだ特定できていません。

新たな1人がアナフィラキシーを起こした際は、エピペンは母親が打ちました。今日取り上げた2人は同じ学校に通っていますので、二つの学校にエピペンの使い方の話に行く予定になっていますが、私の体が空かず、申し訳ないのですが、すぐにはできない状況です。

先ほども“なるべく早く打つ”という話をしましたが、本人や親御さんには伝わっているようで、打つタイミングや注射部位は良かったと思っており、私の指導は間違っていなかったのかなと考えています。

敢えて言えば、3回の注射のうち、私がまだお話ししていない養護の先生の打った部位は太ももの内側であり、もっと外側に打った方がいいと思っています。これは再来月に学校に行くことになっており、修正できると思っています。

私のエピペンに関する説明も十分時間が取れている訳ではないのですが、こうやって適切であろうタイミングで使用してくださっているようです。今日も隣の街へエピペンの話をしに出掛けますが、より多くの方の理解を得られるように頑張ってこようと思っています。