昨日、夕方の新潟県内ニュースで学校給食に関する報道がなされました。
21日に放映されることは取材に来られた記者さんから聞いてはいましたが、どんな内容になるかは番組を観てみないと分からない状況でした。先日も書きましたが、教育委員会も理解のあるところとそうでないところがあり、取材も大変だったのだろうと思っています。
放映では、新潟市と柏崎市内の小学校が出てきました。新潟市内の小学校は、ダブルチェック、トリプルチェックをして誤食を防いでいると言っていました。当然とは言え、周囲の大人が誤食を防ぐために、労力を惜しまない姿勢は素晴らしいと思っています。
その一方で、私はひねくれているせいか、大変申し訳ないのですが、物足りなさを感じてしまいました。
今回の取材のきっかけは、調布市の死亡事故でした。調布の小学校も一生懸命対応してきたのは事実でしょう。それが証拠に、あれだけ重症なお子さんだったにも関わらず、それまで明らかな誤食がなかったからこそ、小学校5年の12月まで事故が起きなかったと思うからです。
マスコミも悪いところがあり、死亡事故の2か月前に同じ小学校で別の卵アレルギーの児童に卵を含む食品を出してしまったと報道されました。この学校だけがいい加減なことをやっていた訳ではないと思います。誤食は現場ではかなりの頻度で起きています。
調布の件では、問題になったのは「おかわり」です。最初の給食ではチーズ入りのちぢみは出されていなかったのです。県内ニュースでは、おかわりをどうしているかも聞くべきだったと思っています。
あと、いつもマスコミはノータッチですが、やはり医師の「診断」に関する問題もあります。食物アレルギーの診断に「食物負荷試験」は不可欠をされていますが、いつも指摘している通り、多くの医師が「食物負荷試験」をやっていないため、診断が正しくない可能性があります。
例えば、ピーナッツで症状が出ると、多くの医師がナッツ類はすべて除去と診断していると思います。つまり、クルミもアーモンドもカシューナッツも除去になります。しかし、確かにピーナッツで強いアレルギー症状を起こしても、クルミやアーモンドはアレルギー検査をしても陰性で、しかも食べても何も起きないことも多いのです。
先ほど述べたように、「食物負荷試験」なしに食物アレルギーの正確な診断はできません。当院では必要があれば、クルミの負荷試験を実施しますが、何も起きないことが多いのです。
また、同様にエビアレルギーがあると、カニもイカもタコも貝類も何もかも除去と診断されているケースも見られます。これらが必ずしもすべて食べられない訳ではないのです。
医師の診断が正しくなければ、それをもとにダブルチェック、トリプルチェックをしても意味があるとは思えず、それこそタブーかもしれませんが、医師の「診断」についてもスポットを当てる機会を作って欲しいと願っています。
本来、学校給食は、医師も含めて周囲の大人が関わるべきでしょう。そのための学校医です。ところが、肝腎の医師が出てこず、学校側だけの問題かのように描かれることは違和感を覚えます。
私は各学校に出向いて、食物アレルギーの誤食時の対応を知ってもらう活動を精力的にやっていますが、それを伝え聞いてテレビ局が取材を申し込んできました。やっと私のやってきたことが日の目を見たと思っていました。
しかし、番組では、私はほとんど出てきませんでした。しかも、私の映像が出た時に、私の名前すら紹介されませんでした。私がどんな思いで、県内各地をまわり、啓発に取り組んでいるかが記者さんには充分伝わっていなかったようで、残念に思っています。
ニュースでは、学校側で食物アレルギーの対策が強化されていると言っていました。間違ってはいませんが、ちょっと違う気もします。私はエピペンを処方された子の通う園や学校に出向いて話をしていますが、ほとんどが園や学校側から言われたことではなく、私の方から親御さんを通して園や学校に研修会を打診しています。
渡りに船という形で、研修会が決まっていますが、もっと積極的に取り組むのなら、学校側から研修会を打診してこなければならないと思っています。
そもそも、これは個々の学校の問題ではなく、私は行政の問題だと思っています。それならば、各市町村が各学校の養護教諭を集め、全体の研修会を開催すべきですが、そこまで取り組んでいる行政はほんのひと握りです。
少しは前進している、それは実感しています。ただ、厳しいことを言うようですが、新潟県の食物アレルギーの対応はまだまだと言えます。いつ第二の死亡事故が起きるのではないかとヒヤヒヤしています。
ひとつ評価できることは、エピペンを預かるところと預からないところがあると言ってくれたことでしょう。実際に新潟県内では、こんな状況でもエピペンの預かりを認めていない園や学校がまだまだ沢山あります。
県知事にこの点に関しメールを出したところ、知事から指示を受けた関係部署から返事を頂きました。県がリーダーシップを取り、全市町村にそういう体制を取らせますという返事を期待したのですが、そういうものではありませんでした。
メディアの力は大きいと思っていましたが、これまでいくつかの番組に出させて頂きましたが、正直あまり実感できていません。日頃の地道な啓発活動が一番信用できるのかなと思い始めました。
自分の信じられるものを支えに、頑張っていこうと思っています。


