小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

活動の発端
2013年06月01日 更新

当院も開業して5年半以上が経ちますが、今が一番忙しいのかもしれません。

開業すると、医療だけしていればいいだけでなく、経営者としての側面も持ちます。損をしない医療をやる医師も出てきます。

私もそれ以前は勤務医でしたが、開業して立場上、経営者デビューとなりました。お陰さまで右肩上がりで患者さんが増えており、どうすれば利益が上がるとか、損をしないとか考えたこともありません。経営方針は自分で決められるため、アレルギーで困っている患者さんにはそれなりの対応をしようと決めていました。今でもそういうケースもありますが、当時から重症な患者さんに30分以上かけて説明することもありました。

きっと1年目より2年目、2年目より3年目というように患者さんの数も増え、忙しくなってきているのだと思います。当初は診療以外に「情報発信」にも力を入れていて、「院内勉強会」を月に1回、かなり無理をしながらやっていました。

当時は、結構無理をしていたつもりでしたが、今になって振り返ってみると、今の方が忙しいようです(汗)。

院内勉強会は、他院にかかっているアレルギーの患者さんに理解を深めて欲しいのですが、なかなか参加してくださる人は増えず、自分の中でモチベーションが下がっていったのも正直なところです。

「院内」にこだわるつもりはなく「院外」に目を向けた途端、「これだ!」と思いました。「これからは外に出ていって、話をしよう」、そう感じました。

それが今力を入れている、エピペンを処方している患者さんのいる園や学校に出向いて、誤食時の対応を理解して頂こうという活動です。

今、考えてみると、お気の毒なことですが調布の死亡事故が多くの人の食物アレルギーに対する意識を変えたと思っています。ただ、食物アレルギーは死亡し得る病気であることは以前から分かっていて、エピペンを処方されている患者さんは重症な訳ですから、そういう園や学校では対応に苦慮しているのだろうと思いました。

今でもそうですが、職員全員がいざという時にエピペンを打てる状況を作っておくことを目標にしています。となると、学校で勉強会をして頂く必要がありました。

ある学校で、私の患者さんがアナフィラキシーショックを起こしました。これが今やっている活動の発端となっています。

急いで学校側に体制づくりをお願いしたいと考え、親御さんから学校側に私が出向いて食物アレルギーの対応について説明に行きたい旨を伝えて頂きました。

ところが、担当者とのメールの中は、いかにも「来るな」という態度がミエミエでした。挙げ句の果てに「エピペンを打つタイミングをメールで教えてください」と言ってきたのには驚きました。

さすがにカチンときて、「人の命の関わることをメールでやり取りするつもりはない」と言ったところ、「では、来て下さい」となったケースもありました。

私がそこまで言ったのは、この患者さんは先ほど述べた通り、実際に学校でアナフィラキシーショックを起こしたおり、血圧が60台まで落ちていたにもかかわらず、学校側はエピペンを打とうともしなかったからでした。エピペンの保管や緊急時の体制がほとんど整えられていなかったことに驚いたものです。

最初のケースがあまりにも強烈だった訳ですが、その程度の理解しかない学校もあるんだと分かったことはいい経験になったと思っています。それ以降は、ほぼ全例で園や学校で勉強会を打診すると、相思相愛の如く「すぐにでも来て下さい」となっています。

自分の必要と思っていたことに時代がついてきたと言ったら言い過ぎですが(笑)、ニーズがあるからには責任を持って供給していくことが専門医としての仕事だと思っています。