小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

「まさかうちの子が」
2013年06月05日 更新

毎週水曜日は、いろんなところに出没しています(笑)。

2週間前は、上越市内の保育園に行ってきました。基本的にエピペンを処方してる患者さんの通う園や学校に出向いて、エピペンの使い方など誤食時の対応をお話ししています。

しかし、この2週間前の講演は、エピペンを処方していないお子さんの通う園でした。以前触れたでしょうが、食物アレルギーは重症なものの、体重が軽すぎてエピペンを処方できる体重に達していなかったのです。

エピペンという武器を持っていれば、アナフィラキシー時に使用することができますが、この時の患者さんの場合、エピペンを持っていないため、逆に誤食時の対応を園側が知っておく必要があると考え、保護者を通して勉強会を打診したのです。

今後はこういう研修会も必要だと思っています。私は、エピペンの打ち方だけを話しているのではなく、アレルギー検査だけでは食べられる・食べられないの判断はできないこと、「食物負荷試験」という検査が存在すること、「食べられる範囲」で食べていいことなど、食物アレルギーの基本についても一緒にお話ししています。

食物アレルギーは乳幼児に多く、子どもの5~10%はいるとされます。ひとつの園に複数人の患者さんがいると推測されます。こういう機会に、食物アレルギーについて知って頂ければ、今後の保育に役立つはずです。

先日、赤ちゃんを連れてお母さんが当院を受診されました。先週末に卵料理を食べて蕁麻疹が出て、病院の救急外来を受診したのだそうです。卵アレルギーを疑い、検査はその時に一緒に行なったそうなので、当院では検査はしないことにしました。

食物アレルギーの話をし始めると、私の話を聞いたことがあるとおっしゃいます。実は、お母さんは2週間前に講演に行った園の職員だったのです。

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎に食物アレルギーを合併しやすく、私の経験上もかなりの確率でアトピーを合併しています。ただ、このお子さんの場合、ハッキリしたアトピーはありませんでした。アトピーがあれば、アレルギー検査をやっていたかもしれず、卵は食べないように指導できていたかもしれません。 

私が診ても予想が難しい状況でしたので、親御さんも卵にアレルギーがあるとは考えてもおらず、ビックリされたことであろうと思っています。本当に「まさかうちの子が…」って感じだろうと思います。

受診した医療機関で「卵は(与えるのが)早い」と言われたそうです。この子は1歳近くになっていますので、私は決して「早い」とは思いません。あくまで“結果論”でしょう。

ちなみに、卵ボーロや卵入りのクッキーは既に食べていました。早くなかったから食べられていたのでしょうし、「食べられる範囲内」を考えると、今まで食べていたものは食べ続けていいと説明しています。

往々にして、食物アレルギーの専門医と専門でない医師は正反対のことを言ったりします。専門医が圧倒的に少ないため、先に誤った情報を与えられていて、それから当院を受診されるケースがほとんどです。誤解を解くのも結構大変なのですが、珍しく専門医の指導を先に受けていますので、すんなりと理解が得られたと思っています。

親御さんは「話を聞いていて良かった」とおっしゃっていました。このように園や学校に直接出向いて話をすれば、困っている患者さんに手を差し伸べることにつながるのだろうと信じています。