学会で勉強してくると、日々の同じリズムの繰り返しから少し脱却した気持ちになります。
そして、週明けの外来は土曜を休診にしたこともあり、より多くの受診があり、現実に引き戻されるように感じます(汗)。
でも開業医は、1人で診療しており、患者さんは誰も「あなたの診療は間違っていますよ」とは言ってくれないので、マンネリからの脱却が大切なんだと思います。
私は「ヤブ医者」にはなりたくないと思っています。「ヤブ医者」とは、皆さんの持っているイメージ通り、通っても症状が改善しない医者のことだと思っています。そういう意味では、日頃から指摘しているようにぜんそくを見逃して“風邪”、アトピー性皮膚炎を誤診して“乳児湿疹”と診断している医師は、「ヤブ」と言われても仕方ないと思っています。
結局、治療しても症状が良くならなければ、なぜ良くならないのか考えることが大切ですが、そこで立ち止まれる医師と、そうでない医師に分かれるようです。結局は、症状を改善させたいという「プロ意識」がポイントなのだろうと思っています。
学会が終わり、これから講演モードに突入しなければなりません。結構、ハードスケジュールとなっています(大汗)。
この1か月で、10回の講演があります。明日と7月10日はは2カ所をハシゴしますので、この1か月で7回、園や学校に出向いて話をする予定になっています。
つまり、その他に3つ講演があることになります。これがいつも話している誤食時の対応とは異なる話をしなければなりません。何故なら、聞き手が異なるからです。
ひとつは、新潟県主催の栄養教諭を対象にした講演会です。栄養のプロを聞き手となりますが、栄養士さんはこれまで食物アレルギーを学ぶ機会があまりなかったようで、卵や牛乳、小麦といった各アレルゲンにスポットを当てた話が必要なのだろうと考えています。
例えば、鶏卵だとウズラの卵にも注意は必要だが、魚卵や鶏肉は除去する必要がないとか、白身はアレルギーを起こしやすいが、黄身はあまり問題にならないという話をしようと思っています。
黄身に含まれるタンパクは、加熱によりアレルギーを起こしにくく変化するとか、白身にも加熱の影響を受けやすいオボアルブミンがある一方で、影響を受けにくいオボムコイドが存在すること、加熱をすればより抗原性が低下することなどを話そうと思います。
こんな感じで、牛乳、小麦、甲殻類、魚類、ピーナッツなどと話していたら、持ち時間がなくなってしまいそうです。ただ、いろいろな本から図などを持ってきて、視覚的に理解度を増すようしたいと思っていますので、時間をかけてスライドを作らないといけないと思っています。
二つ目の講演は、ある個人の方からの依頼ですが、食物アレルギーをあまりご存知ない年代の方を中心に食物アレルギーの怖さを知ってもらうのがメインになると思います。
これって結構難しいと思います。よく聞く話ですが、おじいちゃん、おばあちゃんの年代ですと、当時は食物アレルギーなんてほとんど見かけませんでした。母親が一生懸命除去をしていると、「神経質だ」とか「好き嫌いだ」とか言われてしまうこともまだあるようです。
こういう場合、調布の死亡事故の話をするといいのかもしれませんが、この事故自体をご存知ないかもしれません。私の個人的に経験した症例や、ヒヤリハット事例などを挙げながら話した方がいいのかなと思っています。
三つ目は、来月6日にある柏崎市での講演です。これも近々この場で紹介しようと思っていました。多分、対象は子育て世代の母親が多いのだろうと思っています。
多分、知りたいと思うことは、妊娠中や授乳中に卵や牛乳を除去した方が良いのかとか、母乳経由のアレルゲンの考え方とか、アトピー性皮膚炎との関係などを話すといいのかなと思っています。
あと、どういうものがアレルゲンになるのか、食物アレルギーの予後なども話す必要があると思っています。これも先日の学会でも取り上げられていましたが、アレルギー用ミルクの中にビオチンやカルニチンが少なく、場合によっては欠乏症を起こしてしまう可能性があることも触れようかなと考えています。
また「食べて治そう」という免疫療法がメディアで放映されることもありましたが、拡大解釈されて、家で徐々に食べさせていけばいいと考えている親御さんもいらっしゃいます。現時点では、研究段階であることだということ、素人判断は危険であることも触れなければなりません。
調布市の死亡事故が起こり、一般の方々の食物アレルギーへの関心が高まっており、啓発と言ったら「今でしょ!!」という感じです。
いろんな方が関心を持って頂くのは有り難いのですが、聞く対象を考えながら話の構成を考える必要があります。そうしないと効率よく話が伝わらないと思っています。スライドを作り替える必要があり、結構手間がかかりそうです。
ただ、手間を省くと折角与えられた機会を無駄にすることになりますので、時間はあまりないですが、頑張って乗り切ろうと思っています。


