小児科 すこやかアレルギークリニック

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成功の鍵
2013年06月18日 更新

最近は、水曜の午後も休みが全くないので、週末しか自由な時間が取れません。

先週末は、市の休日診療の仕事がありました。目下の心配事は20日(木)の新潟県からの依頼の栄養教諭の方々への講演を成功させることです。その後もいくつか講演が控えていますが、まずは目先のものからクリアしていきたいと考えています。

話の構成はずっと考えています。「食物アレルギーのことをよく知って頂きたい」、それが一番の願いです。

私の得意ではない部分でしょうが、いかに誤食させいないかという方法論は、学校側に委ねられているのかと思っています。となると、私の話すべきことは、「食物アレルギーをよく知る」ということになると考えています。

学校の先生方は、これまで食物アレルギーについて学ぶ機会がなかったと思うので、まず敵を知らなければ、対応のしようもないと思うのです。

どういうタイプがあって、どういうアレルゲンがあって、それらの特徴はどういうものがあるのか、どんな症状(軽い場合、重い場合)が出て、どんな風に診断するのか、誤食時の対応についても知って頂きたいのです。

食物アレルギーが専門かどうかで、場合によっては対応が180度変わってしまうことも事実として知っておいて頂きたいと思っています。「食物負荷試験」という検査が往々にして“隠蔽”されており、それも当然知って頂かなければなりません。

学校生活管理指導表も書きたがらない医師が多いそうですが、あれは専門でなければなかなか書けない代物です。食物アレルギーのことを知らなければ、記載は難しいと思っています。

ここまで話したら、多分私に与えられた時間はほとんど残っていないはずです。栄養教諭が対象ということで、ここ最近触れていた、アレルゲンの特徴も触れたいのですが、この辺は時間のある時に読んで頂く程度にとどめざるを得ません。

講演の準備に関して、土曜の夕方から夜にかけてのかせぎ時は休日診療の仕事でした。ヒマな時はヒマなので、本を2冊持っていったのですが、ほとんど読む間もありませんでした。結構、混雑していたのです。

日曜は、家族サービスもしなければならないため、土曜の夜に頑張らないといけません。本番は木曜日ですが、資料を数百部印刷する関係で、月曜の朝までにスライドを仕上げなければなりませんでした。それなりに集中したお陰で、遠出のドライブも何とかこなしました。

食物アレルギーの講演をし始めて、10年以上になります。私自身は10年以上前から「食物負荷試験」に取り組んでいましたから、アレルギー検査の結果に頼りすぎず、実際に食べて症状が出るかどうかを確認するという現在の方針は、10年前から変わることはありません。大きく言ってしまえば、私の講演のストーリーは10年変わっていないということになります。

もちろん、徐々に解明されてきたことや、エピペンが導入されたり、経口免疫療法が出てきたり、アレルギー検査の項目に新たなものが追加されたりと、新しいこともありますが、方針自体は大きく変わるものではないと言えます。

また、人前で話すことが苦手な私でも、「伝えたい」という気持ちがあれば、伝わることを身をもって体験しています。結構評判がいいのは、こういうケースを経験したという話をすると共感が得られやすいようです。

ということで、いくつか体験談も組み入れています。20日の講演のスライドはだいたいでき上がりましたが、昨日も話に組み込みたいケースもありました。

昨日、患者さんがクルミを食べて口の中がイガイガしたと受診されたのです。実はこの患者さんは、昨年秋に当院を受診しており、口腔アレルギー症候群と思われる症状がありました。血液検査も皮膚テストもクルミを含めて、その際に検査してありました。

私の中では、クルミは絶対違うと言い切る根拠もないのですが、いずれの検査も陰性で、家で食べてみて「再現性」があるかどうかを確認しましょうと伝えていましたが、ついつい試すこともなかったそうです。

給食でクルミ和えが出たようで、給食を食べている最中に口がイガイガしたそうで、それで「クルミを食べて…」という発言になりました。

よくよく聞いてみると、実際のところは、クルミが原因とする根拠に薄いことが分かりました。そうかもしれないが、そうでないのかもしれないということです。

その辺を冷静に判断しないと、「やっぱりクルミが食べられないんだ」とか「クルミは怖い」となって、一生食べなくなってしまうかもしれません。私はこのような診断が確定されていない状況で「クルミは一生食べられないよ」と言い切る勇気はありません。

こんな感じで患者さんから「クルミを食べて…」という申請があると「クルミアレルギー」が独り歩きしてしまう可能性があります。医師はクルミと決めつけることなく、冷静な目を持って判断する必要があると思います。

食物アレルギーの診断書は、患者さんからの申請だけで書く医師もいるようです。プロなんだから、根拠のある診断書を書くべきでしょう。もしかしたら、患者さん側の申請と医師の鵜呑みで食物アレルギーが作り上げられている場合もあるかもしれず、そう思うとゾッとします。

多分、20日は時間がないため、この話もしたいけれどできないでしょう。ただ、アレルギー検査だけで過剰な除去をされていたり、魚介類やナッツ類はすべてダメと言われていたりするケースは新潟県にはそれなりに存在するでしょうから、現在ガイドラインでうたわれている“必要最小限の除去”という判断からズレている診断書は結構あると思っています。

“必要最小限”とするためには、まず診断書を疑ってみることも残念ながら必要と思われ、確定のためには専門医を受診するように促すということは言わざるを得ないと思います。

過剰な除去のために、学校側は必要以上に疲弊しているのであれば、それは良いことではありません。私の講演を聞いて頂くことで、この辺のことも理解して頂けたら、私の話は成功と言えるのだろうと思っています。