小児科 すこやかアレルギークリニック

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2013年06月27日 更新

昨日、新発田市に行ってきました。

ナビで設定すると、会場まで150キロあまり。あくまで大雑把な計算ですが、東京都の奥多摩から千葉県側まで直線で結ぶと85キロ近くあります。端から端まで往復する感じでしょうか?。車で遠出しない方には途方もない遠方に感じるかもしれませんが、私にとっては大した距離には感じません。幸い、高速通り一本で行けます。

そもそも、新潟県の食物アレルギーの医療レベルを向上させるのが私の目標ですから、遠いなんて言っていられないのです。

ちなみに日曜は、個人的に依頼のあった石川県まで出張しますが、200キロ以上離れています。これもさほど遠いとも感じていません。

昨日は、他の研修会など行事が重なって思った程、参加者が増えなかったと関係者の方が言っていました。それは、仕方ないと思います。

一般的には、多くの演者が講演の前に自己紹介など挨拶の言葉を述べたりしますが、決められた時間内に伝えるべきことが沢山あり過ぎたため、即開始って感じで話し始めました。自分ので言うのも何ですが、中身はまともなことをしゃべっているつもりですので、話を聞いて頂ければ、それが名刺代わりになると思っています。

あとは、スイッチが入ってしまえば、畳み掛けるように?話を進めていくだけです。

新発田市は他の地域もそうであるように、専門医がいない地域なため、食物アレルギーの正しい情報が発信されることはこれまでほとんどなかったでしょうから、情報に飢えている人は相当に欲しているのだろうと思います。

私は元々口べたなので、人前で話すことは好きではありません、できればやりたくない、そう思っています。

ただ、アレルギーの啓発活動は、福岡の専門病院から戻ってきてから、ずっと続けています。10年以上になります。さすがに多少はスムーズに話せるようになってきたのかなと思っています。お陰様で、以前よりは抵抗が減ってきました(笑)。

最近は、食物アレルギーの情報へのニーズが高まっているため、熱意を持って話せば伝わるのかなという思いがあります。いわゆる“話術”は必要はないと思っています。

やや設定時間を過ぎて講演が終わりました。そのまま質問コーナーに突入しました。

一番目にいきなり“重い”質問が来ました。講演の中で、専門医と非専門医の知識と技術の差は触れざるを得ませんので、そういう現実も話したせいか、非専門医への理解を深めることに関するものでした。

これが一番難しいと思います。私の場合、食べさせたい一心で、自らのリスクはさておいて負荷試験を行っています。そりゃ誰だって、医師であってもリスクは極力かぶりたくない訳です。「あれもこれも食べないように」と言っておけば、医師は困りません。患者家族はそれに反比例して困ることになります。

患者さんは、医師に除去がどれだけ辛いか話すこともまずないため、というか話しても仕方ないと思っているのだと思います。実際は正しくないこともあるのですが、“アレルギー検査が高い”という根拠を示されれば、そこで医師の「指導」は終わってしまいます。

確かに食物アレルギーの治療の基本は、「除去すること」にあります。ただし、完全除去か部分除去かなど、医師のやるべきことは少なくないのですが、完全除去を指示されるケースが後を絶ちません。患者さんも何も言わないため、医師も何もやることがない、食物アレルギーについて興味もかき立てられない、そういうように感じています。

残念ながら、多くの特にアレルギーが専門でない医師が、食物アレルギーに興味を持ってくれなければ、園や学校側が興味を持ってくれていても、さほど大きくは変わらないのだろうと思っています。

質問コーナーの中で、「待ってました」と思ってしまいましたが(笑)、講演の依頼がありました。私の最も力を入れている部分で、エピペンを持っている園や学校に出向き、職員全員がエピペンを使えるようにしておきたいと思っているので、また新発田市に行くことができます。

その学校では食物依存性運動誘発アナフィラキシーの患者さんがいるようで、エピペンも所持しているそうです。

状況を聞いてみると、甲殻類にアレルギーがあり、ある日甲殻類と麦飯を給食で食べて運動したらアナフィラキシーを起こしたようです。それで甲殻類と小麦を除去しているそうです。

確率論で言うと、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食品は小麦が6割、甲殻類が3割ですから、ほとんどがそれらであると言ってもいいと思います。

私の経験では、小麦が原因であって甲殻類は除去の必要ない子、逆に甲殻類が原因であって小麦の除去の必要のない子はいますが、両方とも除去という子はいません。もちろん、そういう患者さんもいてもおかしくないのですが、ちょっと養護の先生の話を聞いていると失礼ですが「オヨヨ」と思ってしまいました。「確率論で診断されているのかも」という思いが頭をよぎりました。

この状況なら専門医は、運動負荷試験を行うと思います。制限を受ける患者さんのためにも、もう少し掘り下げる必要があるのだろうと思っています。教育委員会の方とも話していましたが「お医者さんからそう言われると、それに従うしかない」ということでした。耳にした他のケースでも、解せない除去の指導を受けている患者さんもいました。

今度は栄養士が対象の講演会があり、来月も新発田市に行く予定になっています。学校での依頼もあったため、昨日行ったばかりですが、あと2回は行くことになりそうです。

この地の食物アレルギー医療に一石でも投じることができればと思っています。