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これって良いかも
2013年07月08日 更新

土曜は、柏崎市で講演がありました。

実は地元の「とまとの会」というところが主催して下さったイベントに呼んで頂いた格好でした。

会長さんから会の目的をお聞きしましたが、子育てで1人で悩んでいる親御さんは結構いて、皆で集まって話すことで救われたりすることもあるでしょう。現代は、情報に溢れてはいるけれど、“横のつながり”は意外と少なく、私の経験上、食物アレルギーで困っていて誰にも相談できないことって結構あります。

今回の講演会は、食物アレルギーを話題として取り上げて下さり、それに私が招かれたということでした。講演依頼があればどこにでも行くつもりなので、最初話を頂いた時にどういう会はよく分かっていなかったのですが(すみません…)、よかったと思っています。

要は、母親目線なので、食物アレルギーで情報不足で困っている親御さんの参加が多かったようです。講演会場は市民プラザの一室を借りて行なわれましたが、後ろの方まで混雑していました。

最近は、学校関係でエピペンの使い方を中心とした食物アレルギーの講演会はかなり行なわれているように思いますが、これが患者さん対象となるとほとんどないようです。

今回の講演会も人数の多くても少なくても私は構わなかったのですが、担当の方の努力もあるのでしょうが、市外の参加もあり、一番遠くは三条市からだったようです。

タイトルは「子どもの食物アレルギー入門編」という題目を頂いていましたが、勝手に「~正しい知識を持とう~」とサブタイトルを付けさせて頂きました。

患者さんはガイドラインを中心とした正しい知識をも持つ権利があるのに、多くのケースでそうはなっていません。一因は医師の努力不足だろうと思います。若かろうが、年配であろうが多くの医師が、アレルギー検査の結果のみで食べられる、食べられないの判断を下しています。

入門編だけではどうかと思ったので、最新情報も加えようと思いました。具体的には「経皮感作」の話です。アトピー性皮膚炎の湿疹があると、荒れた皮膚からアレルゲンが入り、湿疹を改善させると、卵や乳の影響を低められる可能性があるという話です。

ちなみに、前医で“乳児湿疹”と受診され、改善がみられずに当院に救いを求めて受診されるお子さんの多くが「誤診」です。アトピー性皮膚炎が見逃されています。アトピー性皮膚炎という慢性の治りづらい湿疹があるのに、“乳児湿疹”用の軽い治療をされているので、一向に荒れた皮疹を改善できないのです。最新の考え方からすれば、もしかしたら「経皮感作」を進行させてしまっているのかもしれません。

患者さんは正しい知識を持つ努力をすべきです。皮膚症状の改善が思わしくない、食物アレルギーも数値のみで判断されているなら、適切な指導を受けられていない可能性を考えなければなりません。この辺は、逆におかしな治療や指導を受けている患者さんの方が多いくらいです。

土曜の講演会は、皆さん一生懸命聞いて下さいました。終了後に質問を受け付けましたが、結構出ました。

質問の際、真っ先に手を挙げられたのが、遠く三条から参加された親御さんでした。卵や乳を完全除去し、エピペンを持つべきかどうか悩んでおられました。

私は「極力完全除去にはしないように」という話をしました。最重症な方ならそうせざるを得ませんが、加工品を使えば完全除去はかなりの確率で避けられます。現主治医は、よくあるパターンで「食物負荷試験」の話をしていませんでした。私なら、卵や乳がどこまで食べられるか、負荷試験を通して判断しようとすると思います。

エピペンの話についても、もしかしたら負荷試験をやれば食べられるかもしれません。食べていないから分からないだけであって、負荷試験をやって食べられることが確認されれば、エピペンは不要になると思うのです。

こういう話を聞けば、「そりゃそうだ」と納得してもらえると思うのですが、敢えて言えば専門でない医師のもとに通っている限りは、何の進展も見られず、不安は募るばかりだろうと思っています。

結局、私のやるべきことにひとつは、専門医とそうでない医師の間には大きな知識の差があることを多くの親御さんに知ってもらうことだと思います。とてもおかしな話ですが、こうすることは多くの医師が嫌がることでしょう。

今回のように母親目線の会合は、これまであまりなかったように思います。こういう会ならば親御さんも参加しやすいでしょうし、私も伝えたいことが沢山あるので、「これって良いかも」と思いながら帰ってきました。

「とまとの会」のような団体は多くないのかもしれませんが、食物アレルギーの情報不足に困っている親御さんは多いはずですから、こういう会がありお呼び頂ければ馳せ参じたいと思っています。