先日、新患が受診され、住所をみるとN市でした。
話を伺ってみると、ご実家が上越市で、里帰り出産のためにこちらに来られているとのことでした。
ふと見ると、お母さんのお腹がパンパンです。スタッフの話では、その日が出産予定日だとのこと。正直、驚きました。
赤ちゃんが生まれてないのに受診された訳ではなく、実はお姉ちゃんがいて、その子の食物アレルギーの相談でした。卵と牛乳を除去していました。乳製品でアレルギー症状が出たことがありましたが、卵はアレルギー検査が陽性だけでした。
残念ながら、専門医のいない街では「食物負荷試験」が実施されていません。いつも言っているように、食べて症状が出たものが食物アレルギーであり、検査だけで食物アレルギーと診断するのは間違いです。確定ではないのです。
卵は、加工品は口にしていたため、卵焼きで負荷試験をやることを提案しました。普通というか、出産予定日に産科以外は受診しないはずですが、それだけ心配だったのでしょう。
どうして当院のことを知ったのか聞いていませんが、上越では「食物負荷試験」の存在が少しは広まってきているのもしれません。ただ、身重な身体で受診されるなんて、患者さんの地元に負荷試験が広まらなければならないと思わずにはいられませんでした。
こちらはご実家があるため、おじいちゃんやおばあちゃんの協力が得られるようです。だったら、里帰りしている期間中に負荷試験を進めていきましょうということになりました。
早速、初診の日の数日後におばあちゃんが孫を連れて受診されました。出産間近で、お母さんは入院中だそうです。
その日は卵焼きで負荷試験を実施しましたが、結果はあっさりクリアでした。敢えて言えば、既にしなてくてもいい卵の除去を続けていたことになります。
今度は乳製品がどこまで食べられるか、評価が必要になります。過去に乳製品でアレルギー症状を起こしても、現時点でどうかは分からないので、負荷試験をする必要があります。当院の場合は、こういう場合はリスクを避けるため、乳の加工品を使っています。
まだすぐに生まれる予定がなかったようで、その数日後に、またまたおばあちゃんが乳の負荷試験のために、医院を訪れて下さいました。
この日もあっさりと完食できました。こんな感じで前医では「除去、除去」と言われていたものが、卵は除去の必要がなくなり、乳製品も完全除去から解放されることになります。
「食物負荷試験」の効果が絶大であることが分かります。おばあちゃん、もしくは入院中のお母さんも、おもしろいように解除できていくのを半ば驚きの目をもって見ていらっしゃると思っています。私からすれば、「食物負荷試験」なくして食物アレルギーの診療はできないだけなのですが…。
こちらのいる間に、もっと解除を進めていくつもりでいます。


