今は現地時間で20日早朝です。
これから帰国の準備をします。パソコンを荷物としてしまう前に書こうと机に向かっています。
今回の旅行は、以前も書きましたが、旅行会社を代えました。海外旅行のツアーは、ガッツリいろんなところを周るのが常ですが、それはより若い人が望むやり方で、高齢になり脚力が弱ってくると、そこまでガッツリしなくてもいいとなってきます。なるべく歩き回らないようにというシニア向けのツアー設定に定評のある旅行会社を選んだのです。
出発の数日前に、今回の旅行に同伴する添乗員さんから電話を頂きました。男性の方でした。これまで数年続けているツアーの添乗員は女性だったので、ちょっと意外な感じでした。自分の中で、添乗員は女性が多いという発想が出来上がっていたのでしょう。
最初にその添乗員さんと顔合わせしたのが、成田空港の集合場所でした。「この人が係りの人だな」と思い近づくと、「田中さまですね」とにこやかに話しかけてきます。
それには少々びっくりしました。会ったことがないからですが、両親と一緒だったので、両親と息子(私)の3人での参加は我々だけであり、それだけで「この人は田中さんというんだ」と認識したのだと思います。
これくらいのことは、接客のプロとしてよくある話なのかもしれません。でもなかなか顔を覚えられない医師(私だけ?)からすれば、すごい心掛けだと思います。
数少ない海外旅行経験からすると、添乗員は参加者にその国の生活や風習などに精通しています。旅先でちょっとしたトラブルがあっても、速やかに解決する知識も必要です。あと、ヨーロッパだと宮殿や大聖堂など観光地を周る訳ですが、歴史を解説しなければなりません。
ヨーロッパを好きで、ある程度勉強している参加者は、ある意味「通」でしょう。その「通」をうならせるには、それ以上に勉強していなければなりません。今回は、もの凄かったです。
これまでの添乗員さんに不満がある訳ではありません。ツアーの参加者では毎回トップの高齢ですので、いつもご配慮いただいていました。女性らしいきめ細かい配慮で、いろいろサポートしてくださいました。今回、添乗員が若い男性と知って、申し訳ないですが、少し不安を感じたのも事実です。添乗員は、会社で決められており、こちらが指定できる訳ではありません。
ところが、ツアーに入ってみて杞憂であることに気付きます。いえ、逆に「上には上がいるもの」と思わされました。
ご本人は、イギリスが好きとおっしゃいますが、あらゆることに精通しているのです。今回は公共交通機関を使うことが多かったのですが、ロンドンは地下鉄が発達しています。路線や何番目の駅で降りるのは知っていなければなりませんが、駅名などよどみなく出てきます。
真骨頂は、イギリスの王家の歴史など人名が当然のことながら沢山出てくるのですが、それもスラスラと出てきて、そういう歴史の流れなどとてもよく把握されています。好きこそ物の上手なれ、とは上手く言ったもので、それを地でいっているという感じです。
あとで知ったのですが、まだ20代(もうじき30歳)でした。「若いのにすごい」と感心しきりです。
でも、これって医師も同じですからね。
小児科ならお子さんというより親御さんが、ベテランの医師の方が安心して任せられるとお思いかもしれませんが、私のよく言うアレルギーに関するガイドラインは、比較的最近次々と整備されており、若い医師の方が認識度は高いようです。
これも一概に若いからガイドラインを知っている、ベテランだからガイドラインを守っていないとは言えません。これも医師それぞれです。ただし、食物アレルギーに欠かせない食物負荷試験は全国的に見ても、若い先生が多いようです。古い考えを持っていると、「アレルゲンを食べさせるなんてとんでもない」という固定観念が強いのかもしれません。
今回の添乗員さんの圧倒的な知識には驚かされました。バスに乗っていて、木々の様々な質問が出てても答えていました。植物にもお詳しいようです。もちろん、イギリスの料理、飲み物などもかなり勉強されています。
私自身、海外の人に日本、例えば地元のことをあれくらいのレベルで説明しろと言われても、絶対に無理です(涙)。この添乗員さんの話を聞いてしまうと、多くの日本人が即座に私の意見に同意してくれると思います。
熱意や興味を持って勉強していると、若かろうがそうでなかろうが、その道のエキスパートになれるということだと思います。旅行会社の添乗員にもかなりの知識の差があることが目の当たりにしました。
日本の医療は、どの医師が診ても同じ料金ですが、患者さんにはうかがい知ることのできない病気に関する知識の差が、あって当然、いや、ない方がおかしいということを知っておいて損はないと思っています。


