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仲良くなれそう(笑)
2013年09月17日 更新

ネットニュースを見ていたら、ショッキングなタイトルの本が100万部を突破する程売れているのだそうです。

そのタイトルとは「医者に殺されない47の心得」だそうです。
http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_209815?p=1

このニュースの記事を読むと、「うん、うん」って感じでした。例えば、「日本はトップレベルの医療が受けられるはずだが、医師や病院に対してモヤモヤした不信感を持っている人がいるのも事実」とか、「医師の態度で良い、悪いを見分けようとするのは難しい」とは、その通りだと思います。

この本に書いてあることだそうですが、人気のある医院に人気の秘訣を聞くと「診療が終わったら患者に近寄って握手して、耳元でまたおいでとささやくといい」んだそうです。お医者さんからそんなことをされたら「優しい、いいお医者さん」になってしまうのでしょう。

これもある意味“サービス”の一種なのでしょうが、医師のやるべきサービスは、病気を診断し、適切に治療することでしょう。それをやった上で、そんなことをするのであれば“100店満点”なのかもしれませんが、そもそも真面目に診療していれば、患者さんにそんなに媚びなくても、医院の評判は上がると思っています。

この本の話でなく、私の知っている現実をみても、ビックリするようなデタラメをやっていても、人気のある小児科もあります。「点滴しないと治らない」と脅され、私から見ればやる必要のない点滴をされ、「ありがとうございました」と頭を下げて患者さんは 帰っていきます。また、具合い悪くなったら、同じことの繰り返し。本文でいう「おいしいお客様」になっていると言わざるを得ません。

こんなことをやっていても、その患者さんにとっては“最高の医療”になっているのかもしれません。その時点で、あやしい宗教になっていると言わざるを得ません。

先日、あまり信用していないある医院さんから患者さんが受診されました。その医院の“信者”さんのようでした。食物アレルギーの相談に来られました。

特にこの分野に関しては、地元の園や学校では当院が専門的にやっていることはご存知なので、おかしな診療をされていると、当院への受診を勧めて下さることが多いのです。

食物アレルギーがあるとアトピー性皮膚炎を合併していることが多いことはよく経験します。卵がクラス4でしたが、卵料理は食べていたそうです。何も起きなければ、食べていいと判断するのが正しいと思います。いつも言っているように特異的IgE抗体が高いから「食べられない」、低ければ「食べられる」との判断材料には使えません。

実際に、当院では卵がクラス6でも3名ほどは何の問題もなく食べています。卵が入ってきたらアレルギー反応をすぐに起こそうとスタンバイ状態になっている場合と、なっていない場合があると考えると理解しやすいと思います。

これもよく言っているように、食べて症状が出るから除去する必要があるのであり、数値が高くても食べて症状が出なければ、除去する必要がないと考えるのが自然です。そこの医師からは、卵料理は食べていたにもかかわらず、「食べてはいけない」と言われたそうです。明らかにガイドラインに沿っていないし、目標とする「必要最小限の除去」になっていません。

食物アレルギーの説明に夢中になっていると、診察室で遊ぶお子さんに肘にアトピーを思わせる湿疹があるのに気付きました。

よく見て、触って、これまでの経過を聞くと、アトピー性皮膚炎のガイドラインに記載のある診断基準を満たしていました。つまり、アトピー性皮膚炎と診断できる訳です。

ところが、その医院さんでは「アトピー性皮膚炎ではない」と明言されていたそうです。断言する根拠を聞いてみたい気分です。

結局、食物アレルギーの相談に来られましたが、お母さんとしては予想外のアトピー性皮膚炎の診断もあり、その説明にも時間を割きました。30分近くは話したでしょうか?。

これまでの医院では、ガイドラインを示されることもなく、口頭で短時間で説明とも言えないような説明があり、それを“信じていた”訳です。一生懸命にかかりつけに通っても、病名や治療方針に関して母親なのに真実すら知らされていない現状を気の毒に思い、時間をかけて説明しなければと思い、それだけ時間を掛けて話しました。

あくまで私の目線ですが、最初は「私は〇〇教の信者」という目をされていたように感じましたが。最後には「いや~、〇〇医院さんの見方が今までと変わった」とおっしゃっていました。

「有名だから行っていた」とも言っていましたが、“有名”って何だろうと思います。当院は、テレビやラジオ、新聞で一切宣伝はやっていませんし、市内に看板は一つたりとて掲げていません。上越市内で開業前に診療していたこともなく、そういう意味では一番“無名”なのだと思います。

自慢じゃないですが、待ち時間の長さは近隣の小児科では一番だと思います(汗)。でも医療のサービスは、キチンと診断し、適切に治療することにあると思います。根拠も示さず誤診をして、待ち時間が短いのだとしたら、本末転倒であろうと思っています。

この親御さんは、最後に「治って欲しいから時間を掛けるんですよね」と言って下さいました。私の真意と言うか、医療の本来の目的を思い出して下さったようです。

本の話題に戻りますが、老化現象の話題もありましたが、小児科に老化現象は有り得ません。老人が多く受診する内科ではあの薬、この薬と出されることもあるでしょうが、程度が軽ければ多少のことはおおらかにみてもいいと判断することも大切だということだと思います。

当院でも、発熱の原因がウィルスの可能性が高いと考えると、多くの親御さんが欲しがる抗生剤は出していません。咳や鼻も大したことがなければ、薬を出さず様子をみましょうというようにしています。

先日当院を初めて受診した別の患者さんも咳が長引き、4日毎にずっと通わされていました。これにも驚きました。当院は、風邪だと思えば「治ってきたら再診しなくていい」と言っていますし、ぜんそくと診断されれば、2週間、1か月などとなるべく来なくていいように配慮しています。

私には、ネットの記事で一番衝撃的だったのは「妥当な治療だと思うのは1%くらい」ということでした。この筆者は前医の99%の医療が必要ないと判断しているのです。ただ、私が驚いたのは、「よくぞ言って下さった」ということに対してです。

食物アレルギーで相談に来られる患者さんは、県内各地、つまり新潟や長岡、他の市からも来られますが、妥当と思うのは1%くらいかもしれません。

一昨日、昨日と書いている小児ぜんそくはもう少しパーセンテージは良いですが、相変わらず“風邪”、“気管支炎”と誤診されていることも多く、アトピー性皮膚炎もその多くが“乳児湿疹”と誤診されていて、軟膏の使い方も9割以上はガイドラインに沿っていないと思います。

この本の筆者はれっきとしたドクターです。会ったことはありませんが「仲良くなれそう」だと思いました。この本をいつか買って読んでみようと思っています。