小児科 すこやかアレルギークリニック

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上手く回っていない
2013年09月18日 更新

今日は午前中の診療が終わったら、新発田市へ行きます。

県内の人でなければよく分からないでしょうが、160キロ程離れています。新潟県は南北に長いですが、地図で言うと下の方から上の方まで行かなければなりません。

エピペンを処方されているお子さんがいる学校へ出向くのですが、学校の現場がエピペンを預かることになり、学校側は国の方針ということもあり、受け入れざるを得ない状況です。

ただし、内心は不安で不安で仕方ないのが現状でしょう。私の患者さんの学校の担任の先生だったと思いますが、エピペンが夢にまで出てきたそうです。それ程までのプレッシャーであることが理解できます。

船橋市が「エピペンを預からない」方針から、「“体制が整ったら”預かる」ということに変わったらしいですが、実質変わっていないということでしょう。国の方向性に背いた例として挙げられているようです。

しかし、多くの学校の先生方が子ども達のためにと受け入れて下さっています。「やりたくないけれど、やらざるを得ない」とお考えなんだろうと思います。

学校でアナフィラキシーショックを起こしてしまった場合、発見が遅れ、救急隊が到着する前にエピペンの処置ができるのは、学校の先生しかいません。

調布市では、校長先生がエピペンを打ったにも関わらず、尊い命が失われてしまいました。エピペンが効かなかったと言えば、そうではないでしょう。患者さんが重症だったのと、エピペンを使うタイミングが遅かったのだろうと思います。

この夏に小児アレルギー学会が公表した、エピペンを打つタイミングであれば、ぜんそく発作と考えて気管支拡張薬を吸っても、効かなかった時点で「打とう」となったはずです。

あくまで「たら、れば」ですが、その時点で動いていたら助けられたのかもしれません。過去には戻れませんが、未来に同じようなことが起きるとしたら、それを変えられるかもしれないのです。

エピペンを処方されている子どもの通う学校は、処方されていないお子さんのいない学校よりも、リスクが高い訳ですから、そこに出向いて集中的に指導するのは、自然な発想です。本来なら、県や行政側が率先してやっていかなければならないことではないかと思っています。

今回は、私と私の講演を聞いた学校の先生との話し合いで決まったことです。現時点では、こういう決まり方しかないのだろうと思います。

新潟県内の医師を見回した場合、エピペンの打ち方はDVDを観れば分かることですが、食物アレルギーの基本的な知識や、アナフィラキシーショックの状態、打つタイミング、エピエンの有効性や副作用などをトータルで理解する必要があり、それを説明できる医師はほとんどいないのが現状でしょう。

特に行政は、地元の医師会の顔色をうかがうことが多いように感じます。しかし、地元の医師会にそういう医師がいなければ、外部から来てもらうしかなく、医師会もノウハウを盗むくらいのことが必要だと思っています。

その辺のサイクルが上手く回っていない気がします。