小児科 すこやかアレルギークリニック

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乳幼児の負荷
2013年09月20日 更新

例年よりも「食物負荷試験」の件数が多い気がします。

先日も1日に4件実施しています。この日は、全員が上越市内の方でした。少し前の負荷試験は、みな上越市外の長岡市、柏崎市、糸魚川市の方でした。その日その日でバラエティに富んでいます。

負荷食材も、様々ですが、この日は4人全員が卵でした。2人は卵焼き、他の2人は卵の加工品を用いました。もう一つの特徴は、低年齢のお子さんのみで、最年少は11か月でした。

当院では、卵白のアレルギー検査がクラス6であっても3人ほど卵焼きを食べることに成功しています。ですから、数値が高かろうが、とにかく何か少しでも食べさせてあげたいと思い、いろいろ試しています。

昨日の話じゃないですが、専門医でなければ「とにかく除去」と言い続ける傾向にあります。「食べていい」と言って何かあれば責任が生じますが、「除去しなさい」と言っている限り、何も起きません。

専門医ほど、「必要最小限の除去」という食物アレルギーの治療の基本通りにしようとしますが、そうでないと除去一辺倒で、完全除去を強いられる生活を送っているようです。だからこそ、この場で専門医のはしくれとして、「専門医の間ではこういう対応がスタンダードである」ということを困っている患者さんに伝えたいのです。

「食物負荷試験」の存在が隠蔽されていることも多く、もっと患者さんには情報がオープンにされるべきですが、これも“闇”の部分なのでしょうか?。

さて、この日の検査はクラス2~4のお子さんでした。特にクラス4では、数値も高めでしかも1歳くらいだと多くの小児科医が「食べてはいけない」と指示するのだろうと思います。

その“慣習”を打ち破るべく、クラス4の患者さんに卵焼きを食べさせようとしたのです。無謀な挑戦に思えるかもしれませんが、決して無謀ではありません。既に卵の入った加工品を食べられることはチェック済みです。卵焼きに挑戦できる「土俵」の上に立っていることは確認してあるのです。

アナフィラキシーを起こすことが分かっていて負荷試験をやるのは、無謀以外の何ものでもありませんが、「負けるケンカはしない」のがモットーなので、私としてはかなり勝算のあるトライアルでした。

卵アレルギーの負荷試験のやり方の一つの例として、ゆで卵を8等分にして、更にその半分、つまり1/16切れからスタートする方法が紹介されていたりしますが、すでに加工品でそれなりに食べられることが分かっていますから、当院ではもっと多めの量から開始しています。

この患者さんは、スイスイ食べ進められ、あっという間に完食してしまいました。「2歳まで除去しなさい」なんて言っている小児科医もいるようですが、このケースでは2歳まで待つ必要のないことを証明しています。一方、2歳を過ぎても一向に食べられない重症例もいます。

結局、私のやり方ですが、卵焼きでは負荷試験をせずに、卵の入った加工品を使い、当たりをつけ、「この患者さんは卵焼きの挑戦権を得ている」ということを確認した上で、卵焼きを使った負荷試験を行なっています。もう1人の卵焼きで負荷試験をやったお子さんもクラス3でしたが、無事に完食しました。

負荷試験は、アレルギー症状を誘発してしまう可能性、危険性が常について回る訳ですが、私なりに、極力アナフィラキシーを回避し、確実に少しでも食べさせる方法を取っているつもりです。

他の2人も、卵入りの加工品を食べてもこれといった症状も誘発されませんでした。強めに症状が出てしまうと、本人はもちろん、親御さんも負荷試験を積極的に受けづらくなるようです。その気持ちも当然だと思います。ですから、いかに症状を起こさせないかを重視する負荷試験も大切だと思うのです。

この日は4人のお母さんが笑顔で帰っていかれました。当院としてはよくある光景ですが、「食物負荷試験」という検査の存在が主治医から知らされておらず、こういう負荷試験を受けたくとも受けられない患者さんが新潟県内には大勢いらっしゃると思っています。

もっと多くの笑顔がみられるよう、努力をしていかなければならないと思っており、その戦略の一つが、28日に行なう「すこやか健康フェア」である訳です。