先日、当院から150キロ離れた街から患者さんが受診されました。
食物アレルギーが疑われる患者さんなのですが、夕食を食べた30分後にアナフィラキシー症状を起こし、地元の総合病院を受診されたそうです。エピペンも処方されていました。
肝腎の原因を考えなければいけないのですが、普段から食べているものを食べており、その病院でアレルギー検査をしていました。
その時に食べたものを中心に、またその時に食べていないけれど、アレルギーを起こしやすい食品まで採血で検査されていましたが、どれも陰性でした。
親御さんも困り果てて、学校の養護の先生のアドバイスに従い、当院まで相談に来られたのです。確かに、食物アレルギーで何が原因か分からない時の不安といったら、病気のない人が予想するよりもとてつもなく大きなものだと思うのです。
食物アレルギーはやっぱり難しいと思っています。基本は、これまで食べていたものは食べて良いというのが原則です。
ただ、こんなこともあります。4歳の子でピーナッツを時々食べていたのだけれど、ソバアレルギーを疑われた際に、ピーナッツを一緒に検査をして、ピーナッツがクラス2と陽性だったのをきっかけに食べなくなったケースがありました。
これまで食べていたので、ピーナッツで負荷試験をやったら、全身に蕁麻疹が広がったというケースです。この頃にピーナッツアレルギーを発症したものと思われます。
また、11歳の子がこれまでカニを食べて何ともなかったのですが、この春に2回食べて2回ともまぶたが腫れてしまったため、相談に来られました。血液も皮膚テストもカニは陽性であり、やはりこのタイミングでカニアレルギーを発症したようです。
そう考えると、今回の患者さんの場合、これまで食べて何ともなかったのだけれど、上記の2例のように急に発症したことも考慮にいれる必要があります。血液検査はだいたいしてあったため、問診をした上で皮膚テストを行なうことにしました。
魚はカマスを食べたそうですが、アレルギー検査の項目にはありません。スーパーでカマスを買ってきてもらい、それを使って皮膚テストも行ないましたが、特に異常ではありませんでした。
その時に食べた食材で、納豆とお菓子は、その騒動後にまた食べてみたそうで、何も起きなかったそうです。これは自宅で負荷試験をやった格好になります。
食物アレルギーでないことも考えないといけませんが、食後30分でアレルギー症状が出ているため、タイミングが良過ぎる?のです。食後に運動してアナフィラキシーを起こす病気もありますが、運動はやっていません。少なくとも私の知識の中では、原因が見つかりませんでした。
大きな期待を持って受診して下さったとは思うのですが、いろいろ聞いてみても、これっという原因は見つかりませんでした。もちろん、親御さんには私の力不足をお詫びしました。
ただ、謝ったところで問題が解決する訳でもなく、またいつ症状を起こすか分からず、今度はエピペンを使えるようにしておかなければなりません。
ということで、今度学校側にエピペンの話をしにいくことを提案しました。多分、お母さんから学校側に話が行き、いつもなら研修会が計画されるはずです。私としては、罪滅ぼしのつもりです。
本人に練習用のエピペンを持たせ、実技をしてもらいましたが、一応形にはなっていましたが、何秒保持するとか、どんな時に打つ、どんな時に打たないとか、よく理解していない部分も多いようでした。
学校側の説明会に親御さんや本人も参加してもらえば、学校や家でアナフィラキシーを起こした場合、ある程度は冷静に対処できるのではと思っています。150キロはちょっと遠いですが、その距離を親御さんは連れてきて下さった訳ですし、こちらから出向いて話をしてこようと思っています。


