小児科 すこやかアレルギークリニック

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ぜんそくの「治癒」
2013年11月23日 更新

最近は、めっきり寒くなりました。

新潟の場合は、まもなく雪も降ることでしょう。車のスタッドレスタイヤともう1台分のアルミホイールを手に入れないといけません。

診療していて気付くのは、咳の患者さんが多いということです。もともとぜんそく発作は秋に増えると言われています。実際、私の見たデータでは月別の入院数は9月、10月が1年を通じて最も多かったでした。

今は11月ですが、今も咳の患者さんが多いのを実感しています。私の経験上、8月の後半から調子を崩すお子さんもいます。ですから、8月下旬から少しずつ咳が止まらない患者さんが増えていき、いまだに結構受診されている状況です。

今年の特徴と言えるのかもしれませんが、久し振りにぜんそく発作を起こす患者さんも目立ちます。

寒暖の差が発作を誘発すると言われていますが、寒暖の差が顕著なのは秋のほかに春があります。春も秋の次に発作を起こしやすい季節といえます。よくあるのは、春に治療していて、症状が落ち着いたので治療を一旦中止して、また秋になり調子を崩し再診されるケースです。このパターンが一番多いと言えます。

これは珍しいことではないのですが、調子を崩したのが1年前の秋という方もいます。つまり、1年ぶりに発作を起こしています。中には2年ぶりのほか、3年ぶりという方もいます。

3年ぶりに調子を崩した患者さんは、さぞかしビックリしたのだろうと思います。内心「もう治った」と考えていただろうと思うからです。

1週間前に市内のある小学校でアレルギーについての講演をさせて頂きました。食物アレルギーのほか、アトピー性皮膚炎とぜんそくについて話をしたのですが、どれも慢性に経過する病気なので、すぐには治りません。

特にアトピーとぜんそくは、一般的にいわれるのは、“治ったも同然”という状況を作りあげ、それを維持し、症状を出にくくする、つまり病気をコントロールすることが大切です。私の場合、病気を“手なずけるようにする”と表現しています。

先程の3年ぶりに調子を崩していた患者さんは“治っていなかった”ということなのでしょう。今回は症状が軽く、呼吸困難をきたした訳でもないので、治療し直さなければいけないかどうかは、今後の経過を見て決めたいと思っていますが、多分そうならないだろうと思っています。

ぜんそくを治療中の患者さんは、もちろん医師から「治癒しましたよ」という言葉を聞きたいのだろうと思いますが、ぜんそくの世界では“治癒”とは重みのある言葉です。

「臨床的治癒」という言葉の定義は、無治療、無症状の状態が5年以上継続しているものとされます。つまり、治療して症状が落ち着いているのは“治癒”ではないのです。しかも、1年や2年調子がいいと言っても、これも“治癒”とは言えない訳です。

私も“治癒”とか“治った”という言葉は安易には使いません。それは以上の理由からです。発作を起こした時だけ受診する患者さんもいます。アレルギーの専門医からすると望ましいことではありません。ただ、こんな感じでやっていても、治るお子さんもいるにはいるようです。

その一方で、やはり治らず、大人に持ち越してしまう患者さんもいます。ぜんそくの“治癒”は得られにくいものとご理解頂けたでしょうが、私としては大人に持ち越させないことが任務だと思っています。

ぜんそくが治ったかどうかを判断する明確な指標はないと思います。となると、多少慎重であり過ぎても仕方ないと思っており、丁寧に地道に治療をしていく必要があることを患者さんに伝えて行かなければならないと思っています。