食物アレルギーの診断に「食物負荷試験」が欠かせないことをいまだに知らない患者さんが多いことは事実でしょう。
私の中で、それを広めたいという気持ちがこの場での記載や日頃の啓発活動の原動力になっています。
食物アレルギーの基本は、「症状が出るものは食べない、症状が出なければ食べてもいい」ということだと思いますが、最近はこの原則が若干ズレてきているように思っています。
専門医の方でも、多少はじんましんが出ても「これくらいならいいかな」という考え方も出てきていると思います。これは取りも直さず、「食べられる範囲」まで食べることができる、「食べて治す」という方針に変わってきたことに由来すると思っています。
具体的には、負荷試験をやっていて、途中でじんましんが数個出たものの、様子を見たら消えてしまい、試験を続行し、結局完食できた場合は、家でもなるべく食べるようにしてもらい、じんましんが毎回のように出るようなら除去にしようと思います。逆に、症状が出ないようなら食べ続けてもらおうというものです。
目標量を完食する前に、じんましんや咳などが出てくれば、負荷試験を中止し、治療に当たることになるのですが、先に言ったようなケースでは、「ぎりぎりセーフ」と判断していいのではと考えています。
負荷試験の結果にはいろいろなケースが存在し、一応完食したんだけれど、食べ終わったあとにじんましんが広がってきた場合は、程度によりますが、身体にも出てくるようなら治療が必要になると思います。
この場合、判定は「ぎりぎりアウト」と言うことがあります。もちろん、症状が強めに出れば、当然のことながら「アウト」と判断されます。セーフかアウトかで、セーフなら食べ進める方向で考えるし、アウトならば除去し続けて頂き、間をおいて負荷試験を再検しています。
負荷試験の結果は、「陰性」と「陽性」で判定されることが多く、「陰性」は「食べてもいい」、「陽性」は「食べてはいけない」という意味ですが、一般の方にはちょっと分かりにくい場合もあると思われ、表現として私の場合はセーフ、アウトという言葉を使うこともあるということです。
多少の症状が出ても、前向きに「少し食べさせてもいいのでは?」と思えば、「ぎりぎりセーフ」、惜しいけれど「止めておいた方がいい」と思えば、「ぎりぎりアウト」という言い方をすれば、こういう表\現方法の方が伝わる人には伝わると考えています。ただし、これは私が勝手に言っていることですから、念のため。
12月4日は、来年1月の開催される食物アレルギー研究会の演題締め切りの期限でした。最近は外来は混雑しており、お疲れモードということと、更にいつも直前にならないとエンジンがかからない“体質”なので、一応発表の趣旨を600字以内にまとめた上で直前になってエントリーの申請をしました。
主催者側から受け付けて頂いた旨のメールがありました。こちらは「ぎりぎりセーフ」と言えそうです(笑)。


