インフルエンザが流行している期間は、負荷試験は例年ならお休みしています。
今年は、負荷試験の希望者も少なくないため休止していませんが、やっていないと思っている方もいるのかもしれません。最近は少数ながらも、やっているという感じです。
先日、今度小学校に上がるお子さんに卵焼きのリベンジ負荷を行ないました。
「リベンジ負荷」とは、昨年卵焼きで負荷試験をした際、症状が誘発されてしまい、卵料理を除去してもらっていましたので、再度挑戦し、「今度こそは解除を」と狙ったものを勝手にそう言っています(笑)。
結論から言うと、重症だと治りにくいようだと感じた次第です。
今度小学校に上がるので、年齢は現在6歳です。以前から当院で診ているお子さんなので、その歴史は覚えています。
3年前に父親がシュークリームを食べさせてしまい、アナフィラキシーを起こし、入院したことがあります。それが年末で、当院がお休みに入っており、あとでその事件を聞いたことが記憶に残っています。
それでも加工品は食べさせており、約1年前に卵焼きに挑戦しようと負荷試験を実施しています。その時は“厚い壁”にはね返されてしまいました。
目の下が腫れ、白目が赤くなってしまいました。粘膜にも症状が出ています。この時を写真に撮らせて頂き、もちろん本人と特定できないようにしていますが、粘膜に症状が出ることもあることを講演で示させて頂いています。その後更に症状が悪化し、ステロイド薬の内服を行なっています。
それから1年が経ち、小学校に上がるくらいになりました。保育園の先生がよく見て下さる状況から、ある程度大人になり、少しは自主性が重視されますので、逆に食物アレルギーの子を持つ親としては心配になるのだろうと思っています。あわよくば負荷試験が成功してくれれば、親御さんの不安も軽減することでしょう。
ということで、リベンジしようということになりました。
前回も、卵焼きをあらかた食べた上で症状が誘発されましたので、今回は3分割で3回に分けてやろうと考えました。
今回は全部食べたところで、昨年同様顔に蕁麻疹が出始めました。軽い蕁麻疹だったので、様子をみて消えるようであればいいなと思っていたのですが、更に少しポツポツと出てしまいました。
抗ヒスタミン薬を使うことにしました。幸いにもじきに回復しています。昨年よりは症状も軽く、粘膜症状も出ませんでした。
できれば、何も症状が出なければよかったのですが、それは仕方ありません。しかし、1年前と同じ食材を使っていますので、この1年間の患者さんの成長をみることができました。確実に前進しています。
最近は、学校や園で食物アレルギーが注目されており、たかが蕁麻疹と思っても、学校や園の先生方には大問題だったりします。そんなこともあり、学校では卵の解除はできません。必要以上に心配は掛けられないと思っています。
最近は、食べて慣れさせようという考えも広がっており、家で親御さんが分かって少し食べさせる分には問題はないとは思っています。少なくとも、お母さんはこれまでの卵での症状の一部始終を見ていますので、多少症状が出ても、落ち着いて対処できることでしょう。
ここで感じたことがあります。やはりアナフィラキシーを起こすようなお子さんは、治りづらいのではということです。
トントン拍子に負荷試験が進み、あっさり卵焼きをクリアする患者さんもいますが、そういった患者さんはアナフィラキシーなどの症状を起こしていない方が多いようです。病気は何でもそうなのでしょうが、重いと治りにくいのだろうと感じています。
負荷試験は症状が出ないのが一番ですが、出たとしても今回のように昨年よりは軽い症状で済んだ訳です。親御さんも息子の成長を実感できましたし、仮に誤食しても強い症状までは起こさないであろうことを把握できたと思われ、そういう意味では有意義であろうと思っています。
「再リベンジ」という言葉があるのか分かりませんが、卵アレルギー克服に向け、もう少し頑張って頂きたいと思っています。


