小児科 すこやかアレルギークリニック

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千里の道も一歩から
2014年02月21日 更新

多くの患者さんはご存知ないでしょうが、負荷試験なしに食物アレルギーの診療はできないと言われています。

多くの医師が負荷試験をやっていないので、診療はできていないことになります。しかし、多くの医師がそういうことすら認識していないのだろうと思っています。

先日、1歳のお子さんに卵クッキーを使った負荷試験を行いました。実は、このお子さんは卵白の数値がクラス6でした。

アレルギー専門医であっても負荷試験をためらってしまうのかもしれません。と言うことは、専門医でない医師なら「一生食べられない」なんて言ってしまうのかもしれません。

当院の実績として、卵の負荷試験が最多です。卵が原因食品として一番多いと言うこともありますし、クッキーやカステラを使った上で卵焼きに挑戦しているので、自ずと回数は増えるのです。

そういう方法を取っていることもあり、卵がクラス6であっても「じゃあ、今度負荷試験をやろうか」となってしまうのです(笑)。年齢も1歳であれば、特に躊躇もありません。

結果を言ってしまいますが、当院の規定量をあっさり完食しました。これからは「早見表」を使って、どういう食品に卵が何mg含有されているかが分かりますので、安全な範囲内で食べていってもらおうと思っています。

以前からそうですが、専門でない医師は「家で少しずつ食べさせなさい」と言います。何をどう食べるか、症状が出た時どうするか、どういう時に救急車を呼ばないといけないかなどを説明せず、アバウトなことを言っているようです。その分、リスクを伴います。でも、クラス6なら完全除去と言うでしょうね。

小児科医は子どもの健康を守るのが仕事ですが、当院のやり方と専門でない医師のやり方の違いはよく知っておかなければならないと思います。

いずれにしても、クラス6であろうが、当院の負荷試験で卵の加工品が食べられることが分かった訳です。今後は卵を少量含む加工品から食べていくことになります。

当院では、卵がクラス6でも4人のお子さんに「卵の除去が必要ない」と診断しています。卵焼きの負荷試験をやって何も問題ないことを確認できたからです。

しかし、最初からクラス6の子に卵焼きの負荷試験をした訳ではなく、今回のように卵クッキーを食べられることを確認し、そこから前に一歩ずつ進んでいったのです。

卵焼きに比べれば、卵クッキーは卵成分を少量しか含みませんが、「千里の道も一歩から」です。今回途中で症状が出てしまえば、完全除去と言うことで一歩も歩み出せなかったのですが、確実に一歩目を進めることができ、そしてそれが“卵焼きを食べる”ゴールに続いてゆきます。

クラス6だと多くの患者さんがゴールの見えない迷路にハマってしまう気持ちでしょうが、そうでない場合もあるということを知ってもらえたら嬉しいです。