小児科 すこやかアレルギークリニック

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「お腹が痛くならなかった」
2014年03月15日 更新

昨日も4件、食物負荷試験をやりました。

だいぶ予約が埋まっているようです。専門病院ですと、何か月も先の予約が埋まっているなんて聞きますが、当院の場合は負荷が必要と判断すれば、すぐにそういった手続きに入ります。初めて当院を受診し、1~2日後に負荷試験をして解除できるなんてことすらあります。

ただ、例年3月、4月は例外で、珍しく予約が取りにくくなります。ご迷惑をお掛けしますが、お急ぎでなければちょっとずらして頂いた方がいいかもしれません。

とは言え、新年度スタートが目前に迫り、食物アレルギーの診断書を求める方が増えてきました。昨日なんて10通くらい書いたでしょうか?。午後だけで100名ほどの受診があり、診断書の記入も時間が掛かりますので、ヘトヘトです(涙)。

初診の患者さんは、1日に何人もいますが、ほとんどが食物アレルギーとなっています。市内のみならず、市外からも多くなっています。

やはり診断書絡みのことが多く、年長のお子さんも目立ちます。先日は小学校6年生の患者さんが受診されました。

かつて卵で症状が出て、ずっと完全除去していたそうです。「このままでいいのか」と疑問に思い、相談に来られた格好です。

まず言っておきますが、これはかかりつけ医の仕事だと思います。子どもの健康を願い、親御さんが信頼してかかりつけ医として通っている患者さんです。風邪薬を出すのも結構ですが、健康のためには健全な食事が欠かせません。食事についても適切なアドバイスを行なえなければ意味がないと思っています。

昨日も「専門医の意見を聞きたい」と受診された患者さんがいましたが、かかりつけ医に相談すらしていませんでした。これって“信頼関係”の上に成り立っているのか考えて頂きたいと思っています。

話は戻りますが、小学6年生のお子さんが卵を完全除去していると聞いて、「果たして、本当に除去しなければならないのだろうか?」ととても疑問に感じました。

以前、卵で腹痛がみられたようで、本人にとって一種の“恐怖体験”だったそうです。アレルギー検査の数値がどうであろうが、食べて症状が出るかどうかが一番大切なことです。卵に対し、嫌悪感すら抱いている様子でした。

こういう場合は、自信を持ってもらうしかありません。抱いている恐怖心を克服するには、食べて何ともないことを証明することが肝要です。

かといって、いきなり卵焼きで負荷試験をやると、上手くいけば良いのですが、上手くいかなかった場合、トラウマになってしまうかもしれず、「卵なんて食べなくていい」と思ってしまうかもしれません。

当院の作戦なのですが、卵の加工品を使うことにしました。負荷試験にはクッキーを持ってきて頂くことにしました。完全除去していると、かえって食べられなくなるとも耳にしますので、いくら加工品とは言え油断は禁物です。

慎重に食べ進めることにしました。食べ始めは、食物アレルギーは心因的関与があることを表しているのかもしれませんが、口の中に少し違和感があったようです。それ以降は何も言わなくなり、規定量をキチンと完食できました。

完食後、しばらく様子を見て何も症状が出てこないことを確認するのですが、それからまた診察室に入って頂き、負荷試験の総括をするようにしています。

お子さんとはガッチリ握手をしました。感想を聞くと「お腹が痛くならなかった」と言いました。以前の腹痛がわだかまりのように残っていたようです。でもそれが出ないことが分かり、自信を持ってもらえたようです。作戦通りです。

あとは、まずその自身を胸に、家でも卵の加工品を食べてもらおうと思っています。