小児科 すこやかアレルギークリニック

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「先生のお陰で」
2014年03月20日 更新

水曜と土曜以外は食物負荷試験を実施しています。

先日、ちょっと感慨深いケースを経験しました。

この患者さんとの出会いは1年前にさかのぼります。生後6か月時に小麦を含むお菓子を食べて、目の周りが皮膚症状と呼吸器症状が見られたのだそうです。アナフィラキシーと言えそうです。病院の小児科を受診したところ、アレルギー検査は卵が6、小麦が3であり、これらを完全除去するよう言われています。

その時点で、卵が原因か、それとも小麦なのか特定する努力は必要だと思いますが、それもありませんでした。初診時に4歳になっており、小麦粘土で手がかぶれることもあり、小麦にアレルギーがありそうなことは分かりました。

私の場合、アレルギー検査の数値と言うよりも、過去にアナフィラキシーを起こしたことがあれば、エピペンの処方を考えています。誤食すれば、またアナフィラキシーを起こす可能性があるからです。

それと同時に負荷試験を行なっています。アナフィラキシーのエピソードから数年経過しており、現時点でどこまで食べられるのかを評価する必要があります。それよりも、アナフィラキシーの原因が卵なのか小麦なのか、はたまたいずれもなのか原因を追及しなければ、親御さんが何をどうしていいのか分からないことになります。

エピペンを希望されましたので、エピペンを処方し、この子の通う園に食物アレルギーの講演にも行っています。それと同時並行で負荷試験を行なうこととしました。ちなみに一番新しいアレルギー検査では卵が5、小麦が4といまだに結構高い値を示していました。

まず初診のその月のうちに小麦の加工品で負荷試験を行ない、食べられることを確認しています。乳児期のエピソードが小麦だった可能性を考えていたので、まずはヤレヤレといった感じです(笑)。

少しして今度は卵の加工品で負荷試験を行ないましたが、これも難なくクリアしました。これで卵と小麦のいずれもが完全に除去する必要がないことが明らかとなりました。これだけでも親御さんは日々の食生活の他に、精神的にも楽になったのではないかと考えています。

それからは卵と小麦の加工品をなるべく食べてもらうようにしていました。言わば、食べ慣れてもらおうという作戦です。

当院を受診してから半年経って、卵の加工品は結構食べていたので、卵焼きを用いて負荷試験にトライしてみることにしました。途中、口の下の小さな蕁麻疹が出ましたが、卵焼き1個を完食することができました。

小麦がアナフィラキシーの原因かもしれないと考えていましたが、いつかはうどんに挑戦しなければならないと思っていたので、負荷試験を強行?しました。うどん100gを完食することができました。途中、のどの違和感を訴えたこともありましたが、それ以上悪化することもなく、麺類やパン類も食べてもらうよう指導しています。

つい先日、新年度に当たり食物アレルギーの診断書の記載を求めて、当院を受診されました。

当院を初診された1年前(平成25年4月)までは卵も小麦もどちらが原因かすらも知らず、とにかく完全除去を行なってきましたが、当院の負荷試験で卵も小麦も除去する必要がないのではないか?というところまできていた訳です。

最近の摂取状況をもとにアレルギー診断書を書いていますが、卵も小麦も何の問題もなく食べているそうです。つまり、除去の必要はなく、他の子ども達と同じものを食べられるようになっていました!!!。

診断書は、園側に卵と小麦の解除を伝える必要があったので、解除の旨を記載しました。あまりそうされることもないのですが、「先生のお陰で、食物アレルギーの制限がなくなりました。他の子と同じものを食べることができます。ありがとうございました。」と深々と頭を下げられ、こちらも恐縮してしまいました。

卵の完全除去はまだしも、小麦の完全除去はかなり辛いと思っています。主食である麺類やパンの他に、クッキーやビスケットなどのお菓子類も口にすることができないのです。

つい1年前からすると、食事は「月とスッポン」くらい変わったのではないかと思っており、アレルギーの専門医にかかっていなければ、食生活がここまで変わることはなかったことでしょう。

この患者さんに関しては、“出来過ぎ”って感じもしますが、「ちょっとは貢献できたのかな」と思っています。ただ、もっと以前に治っていたのを、ようやく確認できただけのことかもしれません(汗)。

いずれにしても、無事に解除でき、達成感はあります。エピペンも処方していましたが、次回は処方する必要はなさそうです。

どの患者さんもこんなにすんなりと除去を解除できるものではありませんが、これはこれで親御さんも非常に喜んで下さいましたし、私自身も素直に喜びたいと思っています。