小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

「行きたくない」
2014年03月29日 更新

先日、N市から患者さんが受診されました。

上のお子さんは食物アレルギーがあり、当院によく通院していたのですが、卵焼きの負荷試験をして症状が出なかったため、卵は解除となっています。

だいぶ前のことですが、この場でも紹介したのですが、確かオムライスを患者さんが頬張る写真の印刷された葉書を医院まで頂きました。そこには「先生、ありがとう」と書かれ、今では卵を制限なく食べられていますと記してありました。こちらも嬉しくなる瞬間です。

そのお子さんには妹さんもおり、当院まで遠いものですから、上の子のついでに受診する程度でした。

その妹さんだけが当院を受診されたのです。特に食物アレルギーもなく、ここ最近当院ではやたらと多い食物アレルギーの診断書という訳ではないようです。

話を聞いてみると、湿疹で隣街のM市の皮膚科に通っていたそうです。何度通っても改善しないため、「当院に相談しよう」と思い、受診して下さったようです。

診ると、皮膚に小さな丸いかさぶたが点々と分布しています。皮膚科では大抵ステロイド軟膏が処方されます。よくあることですが、大した説明もなくステロイド軟膏が処方されていました。

ぶっちゃけてしまえば、大抵の湿疹にはステロイド軟膏が効きます。私の場合、ステロイドが効かなければ、別の病態を考えるようにしています。もちろん、しっかり塗っているかどうを確認した上でです。

その皮膚科にはもう何か月も通っていたため、ステロイドの効かない病態を考えるべきと思いました。残念ながら、前医ではそういうこともなく、ステロイド軟膏がダラダラと使われていました。

私の見立ては、ヘルペスウィルス感染です。この患者さんはちょっとアトピー性皮膚炎の気があるようで、皮膚を掻いていました。その傷から細菌が入るとトビヒになりますし、水イボウィルスやヘルペスウィルスも付きやすいことが知られています。

以前、すぐにヘルペスと診断できず悔しい思いをした経験があり、それ以来、改善しない湿疹を診た場合、ヘルペスウィルスも考える回路が出来上がっています。

正直、「間違いない」と言い切れるほどの自信もなかったのですが、これまでの経過からヘルペスウィルスの可能性が十分考えられ、その治療をさせて頂く了解を得ました。

少しして治療効果を確認するため再診して頂いたのですが、効果はてきめんで、あれだけ治らなかった湿疹がみるみる改善したのだそうです。親御さんは、「この数ヶ月の通院は何だったんだ」と少し怒っていました。

わざとじゃないにしろ、正しくないことをされても、感謝させられて、有り難く(?)お金を払うのは“医療”くらいだと思っています。

お子さんはまだ小学校低学年なのですが、何度も通院させられるのが嫌だったのでしょう、「あの皮膚科にはもう行きたくない」と言ったのだそうです。

いくら小さな子どもとは言え、本当は医療機関を選ぶ権利があります。最短距離で症状を和らげてくれる医師が、小さなお子さんにとっても良い医者なのでしょう。

多分、お母さんももう行きたくないでしょうが、やっぱり子どももよく見て、感じているものだと思い知らされました。

子どもに好かれるような医療をしなければいけないと思っています。