食物アレルギーの診断書は、医師の指示によらないものが多いことが問題視されています。
結局、学校側と親御さんとの話し合いで決まることが多いようで、本来医療の専門家である医師が不在となっています。
どの学校にも学校医はいるし、本来リーダーシップを発揮すべきなのに、そうはなっていない現状があります。
国が「学校生活管理指導表」を公表したのが2008年。もう6年も前のことです。ようやく新潟県内では一部の地域で活用されてきています。
調布の死亡事故を受けて、食物アレルギーの診断を親御さんの言いなりではなく、根拠のあるものにしようということなのでしょうが、国の方針に従って今期から始めている市もありますが、医師会が変化についていけずに二の足を踏んでいる市もあるようです。
新年度から医療機関では「ジェネリック医薬品をたくさん使え」と半ば強制されて困っています。高騰する医療費削減のためなのでしょうが、いつも言っているように誤診をして、適切でない治療をしても医院が潤うシステムを止めれば、医療費の高騰は一気に下げられると思っています。
要は、誤診すれば、医療費は医師に支払われないようにすればいいだけです。当たり前のことだと思っています。そうすれば、医師も必死に正しい医療をやろうとすると思います。誤診した方が儲かるという、正直者がバカを見るようなことはおかしなシステムは何とかして欲しいと思っています。
ジェネリックの使用に強制力を発揮するのであれば、食物アレルギーの診断書についても、国がある程度の強制力をもって対応すべきなのではないかと思っています。
今年度から医師による診断書をということを決定している市から食物アレルギーの診断書が欲しいと受診される患者さんも目立ちます。先日、受診された方もそうでした。
小さい頃、確かアーモンドを食べた後に口の周りが赤くなり、それ以来アレルギーを起こしそうなものは除去してきたとおっしゃるのです。
地元の小児科に相談することもなく、あれもこれもと除去しているようです。こういったケースは意外と少なくなく、甲殻類、軟体類、貝類、魚卵、ソバ、ナッツ類、キウイを除去し続けてこられました。
医師による診断書の提出を求められ、当院を頼って受診された訳ですが、私の経験では、アーモンドはピーナッツやクルミなどよりもよっぽどアレルギーは起こさない印象を持っています。
話を伺った時に、「本当にアーモンドで起きたのだろうか?」と感じました。こんなに多種類の食品を除去をしてきた訳ですが、アレルギー検査は一度もやったことはありませんでした。これにはちょっと驚きました。
初診時に採血をさせて頂きました。そうしたら、これらすべてクラス0でした。
以前高かったものが低下したのか、最初から0なのかは今となっては分かりません。除去の必要がないのに、ずっと食物アレルギーの影に怯え、除去していたのかもしれません。
アレルギー検査は、クラス0なら食べられる可能性が極めて高く、クラス2以上の陽性なら食べるとアレルギー症状が誘発される可能性があり、数値が上がるにつれてその可能性が高まると考えて頂ければいいと思います。
数値の上からは、これまで除去してきたものがどれもこれも食べられる、除去する必要がないということなのだろうと思います。これだけ多種類の食品を除去し続ける労力は並大抵のものではなく、何でアーモンドを食べ、食物アレルギーの可能性が出た時点で精査をしなかったのだろうかと思ってしまいます。
当院に相談に来られる患者さんにはよく見られる傾向で、「相談に乗ってもらえなかった」というものもありますが、「相談に乗ってもらえなさそう」と最初から諦めているケースもあります。
やはり、「鉄は熱いうちに打て」ということのように、おかしいなと思った時点で、じっくり考えるという姿勢が重要だと思っています。
しばらく除去を続けていると、食べないことに慣れてしまい、その食材を“食べられないもの”という考えがお子さんの中で支配的になってしまうと思うのです。
最初の“つまずき”が大きくなってしまうと言うか、ボタンの掛け違えが大きくズレていると言うことにつながってしまいます。
今回の患者さんについては、どれもクラス0ではありますが、ソバやピーナッツなどのより怖いと感じる食品を医院で負荷試験をして、あとはそれを真似て自宅で少しずつ食べさせてもらうような形を提案し、「そうしたい」というお話でした。
残念ながら、相談に乗ってくれない医師は多いため、春休みを活かし、日頃疑問に思っていることは早めに相談して頂きたいと思っています。


