小児科 すこやかアレルギークリニック

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2014年05月12日 更新

日本アレルギー学会に行ってきました。

金曜の夜に出掛ける予定が、金曜の外来が相当混雑したため、そのまま出掛けるには危険と判断し、家で一休みしてから出掛けることにしました。

土曜の3時頃、家を出ました。京都まで車で行きました。「車じゃなく、電車にすれば」とよく言われます。さすがに600キロとか800キロ離れていると、諦めようと思いますが、学会会場までナビで下調べすると440キロ程しかありませんでした。

単純に考えると高速1本で行けるので、4時間半でいけることになります。電車の時間に縛られることなく、その程度の時間で行けるのならということで、車で出掛けることにしました。

誤算だったのが、福井県内で一部高速道路が夜間通行止めになっていたこと。30キロ程の区間を下道で走りましたが、ちゃんとした誘導表示がなかったため、少し遠回りしたかもしれません。

車の中に毛布を持っていき、疲れたら寝るつもりでした。あと100キロもないところで、一休みしようと思ったのですが、この時点で朝7時半ころでした。結構頑張って運転したので、ちょっと疲れていました。しかし、その日の学会のスケジュールを見ると、朝8時半から「経皮感作」の話をやることに気付きました。

「経皮感作」とは、茶のしずく石鹸で有名になった考え方です。食べ物が皮膚から入ると食物アレルギーを引き起こすという仮説を英国の医師が言い出すのですが、程なく日本では石鹸騒動が巻き起こり、その仮説が大きな信憑性を持って取り入れられた格好です。今、専門医の間では話題の中心です。

「これは聞かなきゃダメでしょ」と思いました。どう考えても間に合わなければ諦めますが、あと1時間運転を頑張れば何とかなるとなれば、行くっきゃない(ふるっ…)。

ということで、会場に着いたのが8時半過ぎで、無事に聞くことができました。その日の私にとってのメインイベントは、舌下免疫療法の講習だったのですが、これは昼過ぎからでした。真面目な(!?)私は、興味のある話を聞くことにしました。

学生の頃は、一番前の席で授業を受けているとガリ勉なんて周囲から捉えられることもありましたが、医師になって今度は仕事ですから、前の方の席で話を聞くこともあります。舌下免疫の講習は、1000人は収容できる会場で、前から2番目の席で聴講してきました。

それからちょっと時間があったため、日曜の発表のスライドを学会事務局に登録にいきます。学会発表で、自分の番になると、私の発表スライドが会場のスクリーンに映写されます。事前に登録して、キチンと表示されるかを確認しておきたいと思いました。

実は、私にとっては前代未聞のアクシデントがここで起こります。

前日に、新品のUSBを買い、直前になって頑張って作成したスライド原稿をコピーして出掛けました。割りといつもはパソコンも持っていくことが多く、会場で修正することもあります。今回は修正する必要はないと思っていたので、持っていきませんでした。

事務局でUSBの中を開くと、肝腎のスライド原稿がコピーされていませんでした。確認したつもりで出掛けたので、狐につままれた気分です。こんなことは初めての経験です(泣)。

幸い、ポスター発表用のものはプリントアウトしてあったため、事務局でパソコンをお借りし、それを参考に作り直すことにしました。今回はスライドは4枚だけでしたし、そういう意味ではまだ私に運が残っていたのかもしれません。

翌日の日曜日は朝から発表でした。8時半にポスター会場に行き、ポスター原稿を私に与えられた壁に貼ります。私の発表のセッションは9時15分からだったので、貼り次第会場に向かわないといけません。

朝早めの時間だったため、また他にも魅力的な講演が目白押しだったため、余裕で座れるだろうと思っていましたが、予想外の混雑で最初は椅子に座ることができませんでした。

他の先生の発表を聞いていると、しっかり準備されていて格調の高いお話をされていました。私の発表は日頃行なっている水曜の午後を利用したエピペンの啓発活動についてお話ししましたが、「こういう活動方法もある」ということを知ってもらうのが目的でした。

他の先生方の啓発方法を聞いていると、いかに効率よく啓発するかという話だったと思いますが、私は自分がエピペンを処方した学校に出向いて話をするので、効率という点では明らかに劣ります。

しかし、エピペンを預かる学校側は、明日使うことになるかもしれないエピペンの取り扱いを知っておかなければならないし、よく研修会では校長や養護の先生が参加されますが、彼らが出張の日には誰も対応できなくなります。伝達講習という方法もあるでしょうが、言い方は悪いですが、素人が素人に十分な説得力を持って説明できるかと言えば、ちょっと難しいと思うのです。

やはり校長、養護教諭だけでは不十分で、担任や部活の顧問なども知っておく必要がありますし、学校全体でまず食物アレルギーを理解し、私がいつも話している、その患者さんの過去のアナフィラキシーの状況なども知っておいて頂く必要があると考えています。

私が園や学校の出向いて話をする活動を始めたのは、2011年冬でした。2年ちょっとで79回出掛けています。

会場では、多くの方に私の努力は伝わったように思います。そんな個人の負担になるようなことは有り得ない。医師会に協力してもらったらという意見もありましたが、医師会の協力を得られないこともあるようなのです。

そもそも、私自身が主治医としてエピペンを処方しているので、医師会どうのこうのではなく、主治医の責務としてやっているだけですし、個人が好きでやっていると捉えて頂いて構わないのです。

発表後に何人もの小児科の先生から話しかけてもらいました。食物アレルギーに興味があり、皆どう啓発を進めていくか考えている理解ある先生方なので、話ははずみます。

よく同じ趣味だと話しが合い、時間があっという間に経過してしまいますが、まさにそんな感じでした。今までの苦労も報われると思いました。

残念なのは、新潟からの参加の医師はごく一部に限られ、新潟の小児科医にもこういう話を聞いてもらいたかったのですが、結局は同じ志を持つ県外の小児科の先生にしか聞いてもらえなかったようです。

学会直前は、時間に追われつつ発表の準備をするのに大変でしたが、興味ある講演を幾つも聞けて、また私の発表も無事に終わり、よかったと思っています。好きなことをやっていると疲れを忘れてしまいますが、逆に、学会参加ってこんなストレス発散になるんだと思ってしまいました(笑)。

いろいろ学んできましたので、この場で少し披露をする予定です。

そうそう学会は最後まで面白い話が目白押しで、学会の最後まで会場にいました。会場を後にしたのが16時過ぎ。逆に、元気になっちゃったので、5時間後に家に着いていました。

学んできたことを、今日以降の診療に役立てようと思っています。