普段、診療していてストレスなのは、いい加減な医療がされている患者さんが困り果てて当院を受診される時です。
患者さんが頼ってくれるのは有り難いし、何とかしたいと思っています。逆に、自分の腕の見せどころだと捉えています。
何がストレスかというと、地域にいい加減な医療がまかり通っていることが大きな問題なのです。よく考えると「いい加減」って「良い加減」なんでしょうか?。それは冗談として、誤解なく伝えるとすれば、「出鱈目」と言った方が適切と思われます。
最近、多いのはアトピー性皮膚炎の患者さんですが、大抵の患者さんは家の近くの小児科や皮膚科に通い、改善しないため当院に鞍替えされるという形で受診されます。
明らかにアトピー性皮膚炎であっても、そう診断されていないのです。そもそも病気を診断できない医師は病気に詳しくないから診断できない訳で、治療もできないはずです。どういう訳かキンダベートなどのステロイド軟膏が出されることが多いようです。
病名も伝えられず、ステロイド軟膏を使う根拠も示されず、塗り方も指導されないことが多いです。いや、医院によっては「なくべく薄く塗る」、「3日以上塗ってはいけない」というガイドラインには一言も書かれていないような指導がされているケースもあります。
新潟県は助成もあり、患者さんは窓口で530円支払うことになりますが、出鱈目な指導がなされて、症状が改善しなくても530円、専門医が時間をかけて説明して、適切な医療を行なっても530円です。的外れな治療をされると、当然のごとく皮膚症状は改善しません。何度も通うことになりますが、それでも530円を支払わざるを得ません。
そんな事とはつゆ知らず、患者さんは「ありがとうございました」と感謝して、効果のない薬を有り難くもらって帰ることになります。こんなことが繰り返されている訳ですから、既に日本の医療は破綻していると考えています。
結局、何度も通って困り果てて当院を頼って受診される訳ですが、前医は皮膚症状が改善しなくても同じ薬を出し続けられています。自分の能力を超えていても、要は自身の手に負えなくても、専門医に紹介しようともしていないのです。
これも、日本人のモラルの低下によるものなのでしょうか?。
こんな患者さんを毎日、何人も診ています。結局、一人一人にガイドラインを手に取って説明することになります。症状に見合った治療を行なえば、すぐに皮膚症状は軽快します。
今回の日本アレルギー学会でも、「経皮感作」の話題で持ち切りでした。皮膚の荒れた部分から食べ物が入って食物アレルギーを起こすこともあるため、速やかに皮膚症状を改善させた方がいいと繰り返されていました。
おかしなことをされて、皮膚症状も改善せず、場合によっては食物アレルギーも悪化させられてしまうでは割りが合いません。そんなことも起こりうるということです。
学会に参加するような意識の高い医師と、参加しない意識の低い医師の治療は、大きな差が生じていますが、それでも同じ530円ということに疑問を感じて頂きたいのです。
誰でもいいからお医者さんに診せればいいという時代は終わっており、分かった医者にかからないと、言い方は悪いですが“食いものにされてしまう”という時代になっているように思っています。
学会に参加すると、自分はまだ学ばなければいけないことが多々あり、下の下じゃないかと思い、相当焦ります。
地元に帰ってきて、診療が始まると、この得体の知れない停滞感の中、頑張っていかなければならないと思ってしまいます。
折角リフレッシュして京都から帰ってきたのですが、たった1日で現実に引き戻されたという気持ちになってしまいました。


