サッカーのワールドカップが始まりました。私自身はサッカーファンではないのですが、日本を応援しています。
初戦で日本人審判が担当したということで、皆が誇らしい気持ちは持っていたと思います。そんな中、昨日の話題は、“誤審”騒動でしょうか。時々“誤診”の話をしていますが、どちらも「ごしん」と読みます。今回は審判を誤った可能性ということで、誤審です。
サッカーのことは詳しくないので、問題の部分を映像で見ましたが、私にはどちらか判断は難しいものでした。クロアチアの選手の手がブラジルの選手の体に触れているように見えます。
ゴール付近で反則行為があると、相手に得点のチャンス(ペナルティーキック)が与えられるルールになっているため、“演技”をして自分のチームに有利な判定を得ることもあるようです。
昨日は、それが問題になりましたが、日本人審判が毅然とした態度でクロアチアの選手が反則をしたと判定しました。ところが、その程度のことならよくあることのようで、ペナルティーを与えられたクロアチアチームが判定に激怒したという報道がなされました。
ブラジルの選手が演技をして、有利な裁定を引き出したのかどうかは、当人同士でないと本当のところは分からないのだと思います。ブラジルの選手からすれば、してやったりということなのかもしれません。
それを一瞬で判断しなければいけないので、サッカーの審判は難しいと思います。そういえば、オリンピックの時でしたっけ、女子サッカーの決勝戦でしたでしょうか、日本対アメリカで、ゴール付近で日本の選手の蹴ったボールが、アメリカの選手の手に当たりゴールを阻止したことがありました。
本来ならペナルティーキックになるはずが、審判はよく見ていなかったのか、ジャッジできず、日本に不利な判定となりました。紛らわしいシーンでは、裁定がどちらに転んでも、相手側は不満に思うこともよくあるのだと思います。
世界的に大きな話題になったので、審判団委員長が「ミスがあるかもしれないが、我々は彼ら(審判)をリスペクトしなければならない」というコメントを出しています。そういうことも含めて、サッカーということなのでしょう。
今度は、もう一方の「ごしん」について考えようと思います。私がよく言う「誤診」の方です。
当院には、毎日市内、市外から他院で治療を受けても良くならないと言って、相談に来られる患者さんが後を絶ちません。
ほとんどのケースで、問診を読んだだけで「誤診」に気付きます。ぜんそくやアトピー性皮膚炎の症状があるにもかかわらず、“風邪”とか“気管支炎”、“乳児湿疹”などと診断されてます。過小に診断され、過小の診断に合わせた投薬がなされるため、効きません。慢性疾患なので、見合った治療をしないと改善にはもっていけないのです。
食物アレルギーについても、アレルギー検査の数値だけで食べられる・食べられないのジャッジが繰り返されており、多くが過剰な除去につながっています。卵を食べられるのに、「卵アレルギー」と診断され除去を指示されていれば、それは「誤診」となります。
もうアレルギー診療には「誤診」は付き物というか、逆に適切に診断されて「誤診」のないケースを見ることはほとんどありません。まあ、そういう患者さんは当院に相談に来る必要もないのでしょうが…。
先程の審判団委員長の「ミスがあるかもしれないが、判断を尊重する必要がある」という内容のコメントがありました。医療の場合、ぜんそくもアトピー性皮膚炎も毎回のように「誤診」されていると、リスペクトのしようがありません。
サッカーの審判では、難しいケースではミスがあるかもしれないけれど、通常は適確に判断されるものと思います。多くのファンやチーム関係者に見守られての試合なので、「誤審」を繰り返していては、自分の立場が危ういものになってしまいます。
そりゃ、多くの医師も風邪や胃腸炎などは適確に診断しているのでしょうが、ことアレルギーになると、毎回のように専門医の判断とは異なる診断をしており、いわゆる「リピーター医師」の様相を呈しています。
医師は「誤診」をしても特にペナルティーはありません。世の中には「お医者さんが間違うはずがない」という風潮がありますから。患者さんも「誤診」されたことさえ気付かず、信じて通院を繰り返している方も多いようです。
ぜんそくやアトピー性皮膚炎、食物アレルギーも軽ければ命に関わるようなことはまずありません。だから問題視されていない部分が大きいようです。もっと緊張感を持った医療がなされるべきだと思うのですが、実際はそうではないようです。
アメリカのようにセカンドオピニオンもほとんどなく、ぬるま湯の現状を知っておいて損はないと思っています。


