小児科 すこやかアレルギークリニック

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眠れる幸せ
2014年07月08日 更新

日々、アレルギーで困って受診されるお子さんが当院を受診されています。

“アレルギーが軽んじられている”ということは、私だけでなくアレルギー専門医は皆、多かれ少なかれそう感じていると思っています。

当院は、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーに特に力を入れていますが、多くの医師達が力を入れていない分野とも言えます。

小児科医なんだから、それくらい力を入れていると“反論”する医師もいるかもしれません。ただ、いつも指摘しているように、少なくとも当院を頼ってこられる患者さんは、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の診断が適確にされていることはほとんどありません。食物アレルギーも食べられるのか食べられないのか困り果てて、当院に相談に来られるのです。

敢えて言えば、医師自身が自分が“どこまで分かって、どこから分からない”という部分が分かっていないのだと思っています。だから、あやふやな診断になるのだし、診断すら告げられていないケースがほとんどです。そんなんだから、治療すら真っ当に行なわれていないのだと思います。

例えば、心臓や神経、腎臓だと「よく分からないから、専門医に紹介しよう」となりますが、アレルギーは「分かっているはずだから、自分で診られる」となるのだと思います。分かっていないことすら、分かっていないのは最悪だと思っています。

先日、咳が長引き、他院で治療しても良くならないという患者さんが受診されました。夜に強く咳き込み、目覚めてしまうのだそうです。当然、母親もおちおち寝ていられず、家族中が眠れないという、出口に見えないトンネルに入り込んだ気持ちだったと思います。

オノンという軽症ぜんそくの治療薬が使われており、咳が止まらないということでフルタイドという吸入ステロイド薬が追加処方されていました。それでも良くならなかったため、患者さんは不安になり、かかりつけに見切りをつけて、当院を受診された格好です。

オノンでダメでフルタイドを追加する、私もよくやるパターンです。治療を強化すれば、つまり適切な治療が行なわれれば、改善するのは当然です。ところが、改善がなかったのです。

良くならなければ、自分の治療が適切だったのか、振り返る必要があります。それがなされていませんでした。

多分、その医師はオノンがダメでフルタイドを使えばそれで十分という認識だったのでしょう。それで良くならなかったので、十分ではなかったのです。

それで“お手上げ状態”と認めてくれたら、そこで専門医に紹介すればいいのですが、「やるだけのことはやっている」とか、「誰が診ても同じ」なんて勝手に決めつける医師は紹介することはまずありません。紹介すれば、自分の患者が減るので医院にとっては死活問題という部分もあるのかもしれませんが、それは患者さんにとっては全く無関係な話で、却って迷惑だったりします。

吸入ステロイド薬まで使ってよくならなければ、「なぜ良くならないのだろう?」とよく考える必要があります。いや、避けて通れないとすら言えます。

この患者さんの場合、鼻症状が強く、それがぜんそくを悪化させていると考えました。親御さんは、いろいろ説明しているうちに、医師の実力差を理解して下さったようで、当院での治療を選択して下さいました。

私は、フルタイドという吸入ステロイド薬が必要ないのではと考えました。まずオノンと鼻の治療を行ない、それで改善具合いを確認したい。治療には順番があり、私であればオノンを使い、いろいろ考えながら治療して、それでも改善がなければ吸入ステロイド薬を加えるのが順序であろうとお話ししました。付け加えたのが、もしかしたらフルタイドは再開しないといけないかもしれないということでした。

2週間後に再診して頂いたのですが、私の作戦が功を奏し、ピタリと咳が止まりました。夜に親子で眠れる幸せを噛み締めているのだそうです。「もっと早く来ればよかった」、これもよく言われます。

医師も夜にろくに寝れなければ、翌日の診療に差し支えます。それはよく分かっているはずです。しかし、それは患者さんだって同様です。自分が治療して、睡眠障害が続けば、それは専門医に紹介するレベルなのですが、当院はそういう状況で紹介されたためしがありません。

開院して約7年近くになりますが、アレルギーが軽んじられているということを感じなかった日はありません。多分、上越には私の技術が役に立つ患者さんは沢山いるのだろうと思っています。